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西原理恵子が自分への戒めとして心に刻む言葉

HARBOR BUSINESS Online 9/13(火) 16:20配信

【石原壮一郎の名言に訊け】~西原理恵子

Q:会社の先輩は政治家の悪口が大好きだ。酒を飲んだときはもちろん仕事中も、何かというと「小池なんてダメだ」とか「安倍のインチキ野郎」とか、話題になっている政治家を悪しざまにけなしている。最近の攻撃対象は、もっぱら蓮舫だ。俺はそういうヤツが大嫌いである。お前が言ってもしょうがないだろうと思うし、そういうヤツに限って仕事はロクにできない。政治家を悪く言うことで、自分が偉くなった気になっている了見がセコすぎる。ビシッとやり込めたいが、いい方法はないだろうか。(岐阜県・29歳・営業)

A:気が合いますね。私も嫌いです。SNSでもいますよね。政治の話題に食いつく俺って偉いだろ! 政治家に堂々と物申す俺ってカッコイイだろ! みたいな感じの人たち。実際は、絶対に言い返してこない相手に対して、遠くからキャンキャン吠えてるだけなのに。あなたの言うように仕事がロクにできなさそうな人が多いし、仮にできる人だったとしても、「この人、なんか危なっかしいな」とか思っちゃいますよね。

 まあ、政治家の悪口や政治の話が好きな人は、力が入らざるを得ない理由があるのでしょう。思うようにプライドが満たされてないとか、自分の現実を怖くて直視できないとか。ただ、身近にいたらそりゃうっとおしいでしょうけど、目を吊り上げて「やり込めたい!」とまで激しく憎んでしまうのは、それはそれでどうなんでしょう。しょせんは人のことだし、あなた自身の悪口を言われているわけではありません。

 西原理恵子さんの話題の新刊『洗えば使える泥名言』(文藝春秋)は、彼女が出会った「どうかしている人たち」が放った刺激的な言葉を集めたもの。その中で「自分への戒めとして心に刻んでいる言葉」として紹介されているのが、これです。

「人のことを憎み始めたらヒマな証拠」

 政治家の悪口が好きなその先輩も、広い意味で「ヒマ」なんでしょう。では、そういう人を激しく憎んでしまう自分はどうなのか。そんなにもその先輩のことが気になって、日々イライラさせられるのは、もしかしたら「ヒマ」だからかもしれません。いや、仕事の忙しさとかそういう話ではなく、ほかに熱中するものがあったり大きな悩みがあったりしたら、そんな先輩のことなんて気にはならないはずです。

 本によると、西原さんは「この人のことを憎み始めたら疲れてるな」という基準になる人がいるとか。政治家にせよ身近な人にせよ、悪口を言ったり嫌ったり憎んだりするのは、もっぱら自分の側にそうしたくなる理由があります。ここで「違う! ひどいヤツがいたら悪口を言いたくなったり憎んだりしたくなるのは当然だ! 相手のせいなんだ!」と言い張りたい方は、どうぞこれからもそのまま平べったい人生をお過ごしください。

「政治家の悪口を大好きなヤツが大嫌い」という思いを持つのはいいとして、その「大嫌い」がどんどんふくらみはじめたら、胸に手を当てて自分の側の理由を考えてみましょう。その先輩はいわばあなたにとっては「炭鉱のカナリア」で、よくない兆候を早めに察知するために必要な存在かもしれません。やり込めるどころか、心の中で感謝してもいいぐらいです。

 いっそ口に出して「いつも政治家の悪口を言ってくださって、ありがとうございます」と感謝してしまうのはどうでしょう。「な、なんだこいつ」と不気味に思って、あなたの前ではそういう話をしなくなるかも。よかったらお試しください。あっ、これってある意味「ビシッとやり込める方法」の指南にもなってますね。いろいろ結果オーライでよかったよかった。

【今回の大人メソッド】

◆「大嫌い」がふくらむのは自分への不満の裏返し

 政治家にせよタレントにせよ身近な人にせよ、「大嫌い」がふくらんだときは、自分の側に「誰かを嫌わないといけない理由」がある可能性を疑ったほうがいいでしょう。そしてその理由は、たいてい自分への不満の裏返し。「ヒマ」という前提も必要です。実害がある場合も、「大嫌い」という感情をふくらませるヒマがあったら、冷静に対策を考えましょう。

【相談募集中!】ツイッターで石原壮一郎さんのアカウント(@otonaryoku )に、簡単な相談内容を書いて呼びかけてください。

いしはら・そういちろう/フリーライター、コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』(扶桑社)でデビュー。以来、さまざまなメディアで活躍し、日本の大人シーンを牽引している。『大人力検定』(文春文庫PLUS)、『大人の当たり前メソッド』(成美文庫)など著書多数。近年は地元の名物である伊勢うどんを精力的に応援。2013年には「伊勢うどん大使」に就任し、世界初の伊勢うどん本『食べるパワースポット[伊勢うどん]全国制覇への道』(扶桑社)も上梓。最新刊は、定番の悩みにさまざまな賢人が答える画期的な一冊『日本人の人生相談』(ワニブックス)

<写真/Dick Thomas Johnson>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:9/13(火) 16:24

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TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。