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日銀の黒田さんの「男気」に対する過信が邪念に変わるとき

会社四季報オンライン 9/13(火) 21:06配信

 前週末の米国株ニューヨークダウの394ドル安を受け、週明け12日の日経平均株価は大幅安に見舞われた。同日、寄り付き前の段階では株価の位置が近いからか「日経平均は25日移動平均線(1万6755円)を維持できるかどうかが焦点」といった声が聞かれた。これを割り込んだら下げる可能性が高い、という意味なのだと思うが実際、こういった話は検証されたことがあるのだろうか。

 少なくとも、今年だけ軽く振り返っても、年初の下落トレンド時は「25日線を上回ったから(という理由で)買ったら大ヤラレ」だったし、8月以降の緩やかな上昇トレンド時は「25日線を割れたから(という理由で)売ったら大ヤラレ」だったと思うのだが……。

 同じ「25」でも、広島カープを25年ぶりのリーグ優勝に導いた立役者である背番号「25」の新井選手であれば支えてくれたことだろう。だが、25営業日の終値を平均しただけの線にそんな効力を期待するのは無理な話。週初の日経平均は要注意といわれた25日線を割り込んでしまった。

 こんな声も聞かれた。「黒田日銀砲が確実に入るだろうから、日経平均の下支えになる」。前週末の余韻冷めやらぬ多くのカープファンは、「黒田」と聞くと「男気」の黒田投手の胴上げシーンしか頭に浮かんでこないことだろう。20億円とも言われたオファーを蹴って昨年、米メジャーリーグから広島カープに復帰してくださり、見事勝利投手で25年ぶりのリーグ優勝に導いてくださった黒田さん……。

 一方で、「株価の大崩れは回避してほしい」と望む一部の市場関係者は、日銀の黒田総裁が放つ日銀砲(1回当たりのETF買い入れ額は9月から733億円に増額)に思いを馳せている。確かに、先週2発入った日銀のETF買い入れは為替の円高を無視させるほどの威力を発揮した。

 ただ、これはあくまで「米国株が高値圏でモミ合った状態」という前提の下で機能する話。その前提が崩れるのであれば、神通力は急激に弱まるだろう。実際、12日の日経平均株価は(日銀砲が入ったであろう)午後に入って取引時間中の安値を更新した。

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最終更新:9/14(水) 16:41

会社四季報オンライン

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