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グローバル化する日本たばこ、出世を約束する「キャリア採用」復活のワケ

NIKKEI STYLE 9/14(水) 7:00配信

 海外企業のM&A(合併・買収)によって成長してきた日本たばこ産業(JT)。国内事業専門の日本専売公社だったJTはどのようにしてグローバル人材を養成しているのか。M&A担当の新貝康司副社長に聞いた。

 ――海外企業の相次ぐ買収で、外国籍の社員が急増していますが、どのように人材を育成していますか。

 「まず、最初に私の前提として、育成というのはできないと思っているんですが、場を提供することはできると思っています。あとはそれをモノにするかは本人次第。それにつきると思っています。JTは米欧のたばこ会社を買収して、海外たばこ事業を拡大してきました。ですから海外たばこ事業を統括するスイス・ジュネーブのJTインターナショナル(JTI)も、もともと米RJRナビスコの海外事業拠点であり、日本企業ではありません。日本のような新卒一括採用ではなく、必要なときに必要な人財(注:JTでは「人材」を「人財」と呼ぶ)、能力の高い経験者を採用してきました」
 「2006年に私がジェネーブのJTIに赴任して、これは違うのではないかと考えました。有能な経験者であっても、JTの価値観と違う方向性で仕事をしたら、会社はダメになってしまう。そこで共通の価値観を持ち、仕事もできる人財を養成していこうと考えました。例えば、下位職の人でも、潜在能力があれば、上司から推薦してもらう。JTには欧州やアジアなど6つの地域がありますが、2年間、8カ月ずつ3地域で仕事をしてもらい、成果を上げれば登用するというやり方です。育成の場を提供するわけです。多様性の中で仕事をし、スキルを身につけてもらいます」

 ――JTからも海外に派遣し、グローバル人材に養成しているのですか。

 「JTからは総勢200人弱が海外に行っています。ジュネーブのみならず、海外の生産・販売拠点にも赴任していますが、5分の2は即戦力として仕事に従事しています。しかし、この即戦力の人間はJT本社からの押し付けではなく、ちゃんとJTIの入社試験を受けて、向こうのお眼鏡にかなった人が行きます。JT出身の日本人だからといって特別扱いはしません。残りの5分の3は研修生などトレーニーです。ですから2年分の人件費や滞在費はJT側が持ち、試練の場を与えて鍛え上げます。トレーニーが120人だとすると、10年やると、600人になるわけです」

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最終更新:9/14(水) 7:00

NIKKEI STYLE

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