ここから本文です

コミュニケーションロボットで遠隔地から演奏会鑑賞

オルタナ 9/14(水) 19:15配信

残暑の厳しい9月のとある夜、東京・赤坂にあるサントリーホールの小ホールで、ちょっと風変わりなピアノ演奏会が行われた。最前列に陣取ったのは観客ではなく、5体の小型ロボット。実はこのロボットを通して、ホールから離れた都内や千葉、さらに遠い北海道に住むALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者など5人が、まるでそこに座っているかのように、演奏会を鑑賞していたのである。(CSR48、リコージャパンCSR推進部=太田康子)

■ロボットが首振り、手振りで意思伝達

ロボットの名は「OriHime(オリヒメ)」。高さ20.5センチ・幅17センチ・奥行11.5センチと小型だが、頭部にカメラやスピーカー、マイクが仕込まれており、胴体部分からは一見、羽のような手が伸びている。演奏の模様をリアルに伝えるとともに、遠隔操作で首を振ったり、手をパタパタと動かして拍手のような動きもできる。つまり、遠隔地にいる人でも、その場で意思疎通ができるコミュニケーションロボットだ。重さは約600グラムと軽く、手軽に持ち運びできるため、離れた仲間や家族と一緒に同じ体験を楽しむことが可能だ。

千葉県の自宅からOriHimeを通してサントリーホールのピアノ演奏を聴いた大山良子さん(46)は、「演奏会に参加すること自体が初めて。楽しみにしていました。やはり生の演奏は素晴らしい。ロボット経由でもピアニストの方のドレスのレースがとても綺麗に見えました」と話す。

北海道八雲町の病院から参加した吉成亜美さん(23)は、かつてはコンサートや舞台を観に会場へ足を運んだ経験もあるという。「普段は電動車椅子に乗っており、自由に動くことはできますが、首を動かして周囲を見回すことはできません。でもOriHimeは周囲の音声を聞くのはもちろん、視界も広がるので、席の後ろにいる観客の様子を見ることもできました」。

自分の動きがOriHimeの首や手を動かす反応となったので、周囲の観客から「可愛い」と言われたという。「私だけど、私じゃない分身がほめられている感覚はなんだか不思議でした」。拍手や手を上げるといった、言葉以外でのコミュニケーションが行える点も、コンサートに参加している気分を高めてくれたそうだ。

1/2ページ

最終更新:9/14(水) 20:56

オルタナ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

「持続不可能」な漁業との決別
なぜ待てない? 資源の回復に必要な「我慢」
違法漁業や人権侵害、高まる企業リスク
ビジネスで追及する「真の美しさ」とは

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。