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映画『キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV』の制作に参加した、海外からの助っ人たち<1>RIVA Animation & VFX(インド)

CGWORLD.jp 9/14(水) 12:40配信

2016年7月9日(土)、全世界でシリーズ累計1億1,500万本以上の売上を誇る『FINAL FANTASY』シリーズ。その最新ナンバリングタイトル『ファイナルファンタジーXV』と同じ世界、時間、キャラクターで描かれた劇場アニメーション長編『キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV』が公開された。“FF“というキラーコンテンツの脱構築を目指したと言っても過言ではないチャレンジングなプロジェクトであるが、一連の制作をリードしたスクウェア・エニックス 第2ビジネスディビジョン(第2BD)がビジュアルの指針となるパイロット版を完成させたのは、2015年の夏のこと。そこからわずか1年足らずでこれほどのハイクオリティなCG表現を作りきる上では、約50もの外部パートナーたちの協力も不可欠だったという。この度、本誌が独自に着目した海外の協力プロダクション3社へのメールインタビューが実現したのでシリーズ企画としてお届けしたい。トップバッターは、インドのRIVA Animation & VFXだ。

<1>ムンバイを拠点に活動するRIVA Animation & VFX

『キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV(以下、キングスグレイブ FFXV)』は、総カット数2,368(総尺約110分)で構成されている。一連のビジュアルを観れば一目瞭然のハイクオリティだが、これだけの物量を作りきる上では、海外19、国内30の計49社ものCGプロダクションが制作に参加した。ハイクオリティなゲームシネマティクスで知られるハンガリーのDigic Picturesであれば、序盤の見せ場となるルシス王国の辺境における戦闘シーンを、プリビズから一括して担当。逆にプリビズやパフォーマンスキャプチャなど、専門分野に特化して参加したThird FloorやImaginurimuのように、その協力形態は様々だが、ここに紹介するRIVA Animation & VFXの場合は、アニメーション、エフェクト、ライティング、そしてコンポジットとひときわ多岐にわたったという(後述)。

RIVA Animation & VFXは、2014年に設立されたインドのムンバイに拠点を置くCGプロダクションだ。社名の通り、CGアニメーションから実写VFXまで幅広く手がけており、同社グループとしてドバイのRIVA Digital、テーマパーク・アトラクションの企画開発を行う米RIVA Creative、そして東京で日本におけるビジネス展開を行うRIVA JAPANから成るRIVAグループの一翼をになっている。

RIVA Animation & VFX(以下、RIVA)が『キングスグレイブ FFXV』制作に参加したのは、2015年10月から2016年5月までの約7ヶ月間。このスケジュールに加え、エンドロールでは<ACT2 UNIT>(中盤パート)の筆頭にクレジットされていることからは、RIVAは外部パートナーの中でも第2BDとの共同制作を密に行なっていたことが窺える。今回は、そんなRIVAのクリエイティブ統括(Creative Head)を務めるMehul Hirani/メユール・ヒラニ氏に話を聞くことができた。

まずは統計的な情報から。RIVAが担当した業務と、参加スタッフ数を表にまとめた(下表)。49もの国内外のプロダクションが参加している本プロジェクトにあって、アニメーションについては456ショットと、全体の2割近くのショットを担当しているなどかなり大きなボリュームを受け持っていると言える。

「多くのシーケンスがRIVAにとって実にチャレンジングなものでした」と、メユール・ヒラニ氏はふり返る。ゼネラリストとして様々なCM、TVシリーズに参加し、フルCGアニメーション長編『Alpha and Omega』(2010年、Lions Gate Entertainment製作)ではクリエイティブ・ディレクターを務めるなど、業界歴20年を越えるベテランだ。

「第2BDから提供されたパイプラインに則した制作は、もちろん初めてのことでした。またこれほどハイクオリティのフォトリアルな表現に取り組むことも、RIVAにとっては大きな挑戦でした」。このプロジェクトを通して各部署が多種多様なノウハウを蓄積することができ、なかでもアニメーションチームは飛躍的な成長を遂げたという。ヒラニ氏の言葉を借りれば、プロジェクトの終盤には第2BDのスーパーバイザー(SV)からも高い評価を得ることができたそうだ。

目指すクオリティ・物量を限られた期間で達成する上では、東京にいる第2BDの各SVたちとRIVAの中核スタッフはいつでもSkypeミーティングが設けられる環境を整えていたという。そして、RIVAから提出された成果物に対する第2BDのチェックが的確かつ迅速であったことも、プロジェクトを成功へと導く大きな要因だったと、メユール氏は語る。

先述のとおり、第2BDが構築したパイプラインならびに仕様に基づき制作を進める上では、まずは第2BDから提供されたツールやアセットが正常に動作する環境をムンバイのRIVAスタジオ内に整える必要があった。そこで第2BDのテクニカルチームは、RIVAのテクニカルスタッフと緊密に連携、「言語的な問題も含め、パイプライン設置には大きな努力を要しましたが、要求される品質を満たすためにはクリアせねばならない必須の課題のひとつでした。幸い、第2BDチームの素晴らしいサポートと経験豊かなスタッフの尽力により、無事に環境を整えることができました」。
しかし、それでもレンダリングならびにコンポジットの作業負荷はすさまじいものだったそうで、本プロジェクトを完遂させるべく巨大なレンダーファームに加えて、膨大なデータを東京とムンバイ間で高速にシェアするための専用回線を新設したそうだ。「幸い、ムンバイでも適切な通信サービスとサポートを確保することができました」。

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最終更新:9/14(水) 12:40

CGWORLD.jp

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