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グーグルとノキア 「運命の分岐点」とは? ~飛躍する企業の「軽やかさ」の正体

NIKKEI STYLE 9/14(水) 16:49配信

指数関数的に成長する企業 情報で構成、組織軽やか

 新しいテクノロジーを生かし企業組織・人材を創り直すとどうなるか?この質問に豊富な事例と記憶しやすい分析で答える新古典が、サリム・イスマイルが著した本書(原書名「 Exponential Organizations 」=飛躍型企業)です。

 飛躍型企業とは過去4、5年でパフォーマンスを10倍以上改善した企業、すなわち指数関数的に成長する企業を指します。ユーチューブは18カ月で14億ドル、スナップチャットは3年で100億ドルの市場評価額に達しています。本書の魅力はこれら新型企業のあざやかな解剖にありますが、その対比で従来型企業の特徴もえぐり出します。

 従来型企業はヒト・モノ・カネなどリアルな資産で構成される重たい組織です。資産を希少とみなし、所有・雇用して社内に囲い込みます。資産を増大し効率的に活用することで、売り上げや利益を増大させることが成功像で、代表例は巨大なグローバル企業です。

 その最大の弱点は、環境激変の時代で勝ち残るために欠かせない柔軟性に乏しいことです。重い体を機敏に動かす巨大な象は、想像することすら困難でしょう。

 これに対し飛躍型企業は「情報」で構成される軽やかな組織です。内部に抱え込む施設や人材といったリソースは最小化し、階層的な構造や権限規定など、情報の自由な流れをはばむものも最小限に抑えます。

 他方で、情報を媒介としてユーザー、ファン、協力会社等の外部を自分のエコシステムに組み込み、情報でできた製品やサービスを生み出します。情報化する世界において、情報の申し子ともいうべき飛躍型企業は、ムーアの法則に浴して瞬く間に成長を遂げます。

 情報という名の隕石(いんせき)が衝突した地球上ではグローバル大企業(恐竜)に取って代わって小規模で俊敏かつ成長性の高い飛躍型企業が次々と生まれる――。カンブリア爆発が到来したという見立ては鳥肌が立つほど刺激的です。

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最終更新:9/14(水) 18:17

NIKKEI STYLE

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