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対北朝鮮宥和政策の幻想捨てよ 東アジア重大な危機

Japan In-depth 9月14日(水)18時1分配信

今年に入っての金正恩による各種弾道ミサイルの連射と5回目の核実験によって、対北朝鮮宥和論者のさまざまな願望的主張は打ち砕かれた。

「非核化は金日成の遺訓だ。対価を得られれば北朝鮮は核を放棄する」、「核とミサイル開発は米国へのラブコールだ。米国が振り向けば非核化の6カ国協議に出てくる」などとする北朝鮮認識がいかに甘かったかが証明された。韓国でも対北朝鮮宥和政策の間違いを指摘する声が高まっている。

朝鮮日報は対北朝鮮宥和政策を推進した金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権を次のように批判した。

「06年10月9日に北朝鮮が最初の核実験をするまで、金大中政権や盧武鉉政権は北朝鮮の核に対する意志や能力をずっと過小評価してきた。盧武鉉元大統領は最初の核実験の1カ月前、北朝鮮が核実験をする可能性について「根拠なく仮定の話ばかりしている」と表現した。04年11月に訪米した際には、「『(核保有は)外部の脅威に対する抑止手段だ』という北朝鮮の主張はかなり合理的だと見なせる」という原稿をそのまま読み上げた後、「一理ある」と言った。

これに先立ち、金大中政権時代の02年2月、当時の丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官は討論番組に出演した際、「北朝鮮の核や生物化学兵器は韓国を攻撃するためのものではない」と発言して「安易に考えている」と批判された。丁世鉉氏は同年10月にも「北朝鮮の核問題は解決の可能性が高い」「今すぐ経済制裁まで行うことはない」と言った。当時の政権は02年12月に北朝鮮が「核凍結を直ちに解除する」という談話を発表して初めて事の重大さに気付いた(朝鮮日報日本語版2016/09/12 )。

金正恩政権は当時の金正日政権よりも過激で短絡的だ。核ミサイル武装にすべてを賭けて一直線に突き進んでいる。9月9日に今年2回目となる5回目の核実験を行った北朝鮮は、多様な核ミサイル完成のために今また6回目の核実験を準備しているという。複数の韓国政府筋は9月12日、「北が豊渓里(プンゲリ)の1~3番の坑道のうち、これまで一度も核実験を行っていなかった3番坑道でも核実験をいつでも強行できる準備を終えた様子がとらえられた」と明らかにした(聯合ニュース2016/09/12)。

今後の北朝鮮核ミサイル問題解決の方向は、北朝鮮に対する宥和政策の幻想を捨てることから始めなければならない。もちろん中国への過大な期待も捨てる必要もある。

当面は圧力を基本としてあらゆる方法で金正恩を追い詰めなければならない。金正恩との対話は、彼が非核化について聞く耳を持った時からでも遅くはない。オバマ政権の「非核化を前提とした対話」の方向は間違っていなかった。しかし圧力が弱かった。特に北朝鮮をかばい続ける中国に対する対応で甘さが目立った。対話は圧力とともに外交交渉の両輪だが必ず並行させる必要はない。時には断固とした圧力が対話を引き出す。

北朝鮮核問題の解決法では、過去ヒトラーに対する「宥和政策」失敗の教訓から学ぶべきだ。

1938年9月末の「ミュンヘン会談」で、当時のイギリス首相ネヴィル・チェンバレンは、ヒトラーのチェコスロバキア・ズデ―デン地方帰属要求を受け入れて「ミュンヘン協定」を結び、「血一滴流さず平和を勝ち取った」と大喜びした。だが1年後の1939年9月にはヒトラーのポーランド侵攻が始まり第2次世界大戦へと突入した。そしてホロコーストによるアイシュビッツのユダヤ人大虐殺が行われた。

イギリス首相ウィンストン・チャーチルはこの宥和政策を振り返り、その回顧録で「初期にヒトラーを叩いておけば第2次世界大戦もホロコーストもなかった」と述懐している。

金正恩政権は今水爆搭載弾道ミサイルの完成を目指している。そして米日を排除して韓国を支配するルビコン川を渡ろうとしている。これ以上放置すれば東アジアの平和と安全は重大な危機に直面するだろう。危機回避で残された時間は多くない。

朴斗鎮(コリア国際研究所所長)

最終更新:9月14日(水)18時1分

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