ここから本文です

鳥越俊太郎氏の高畑事件を巡る「うかつ」な発言 --- 田中 紀子

アゴラ 9/14(水) 16:45配信

昨日(9月12日)のスポーツ新聞の記事を見て、怒りに震え、
そしてまたしても「TBSのビビッドさんか・・・」と暗澹たる気持ちになりました。
どうかこの記事をお読みください。

“鳥越俊太郎氏 高畑裕太釈放に「高畑さんの人権も考慮しなければいけない」(東スポWeb)(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160912-00000015-tospoweb-ent)”

鳥越さん「不起訴=事件がなかった」訳ではありません。
仮にもジャーナリストを名乗るあなたが、まさかとは思いますが、こんな初歩的なことを、ご存じないわけではありませんよね?

特に性暴力の場合、もちろん被害者が裁判を望まないということも多々あるでしょうが、証拠を提出することが難しいために、不起訴とされてしまうケースがあります。

実際この様な、重篤な犯罪と思われる事件でさえ、不起訴とされ、被害者は、多大な苦しみを味わっています。

“元警察官らの集団強姦、被害女性が検審申し立て 「不起訴は不当」(産経ニュース)(http://www.sankei.com/affairs/news/160620/afr1606200018-n1.html)”

ところが、示談が成立したり、不起訴となった途端、今度はまるで事件が大したことではなかったかのように、場合によっては、女性側のハニートラップであったかのように、一斉に報じられるところが、日本ではあるのではないでしょうか。

密室でのことは立証が難しく、そのためにどれほど悔しい想いをしている、被害者がいることか、
そこに思いを寄せて欲しいと思います。

性暴力や性虐待の被害にあわれた方が、その後、依存症を発症するケースは非常に多く、このトラウマを抱えた女性たちの支援に日々携わっている私は、こういった発信がなされることで、かつて被害にあわれた方々が益々辛い想いをされることに、大変心を痛めております。

また、事態が性交にまで及んでいなければ、「大したことがなかった」という風に、一斉に報道が転じることも理解に苦しみます。

では、痴漢やのぞきも大したことがないことでしょうか?
「触られた位で」「のぞかれた位で」騒ぐ方が悪いのでしょうか?
性暴力の被害は、性交が行われたかどうかが問題なのではありません。

アメリカではこんな事件も起きています。

“8歳から11歳まで性的虐待に怯えた女性、警察官になり執念の逮捕(米)(Techinsight)(https://gunosy.com/articles/R22GZ)”

性暴力、性的虐待は、性交に及ばなければ、罪は軽いと考えるべきではありません。

「性交はしなかったんだから良いだろう」
「お前だって誘ってきただろう」
「触ったぐらいで騒ぐなよ」

こんなことを男性側から言われ、「そうか自分が悪いのか。」と、苦しみを抱えたまま声をあげられず、トラウマで生涯苦しむ女性たちが、いえ、女性に限らず男性も、沢山いることを、心ない発信をする人たちはご存知なのでしょうか。

今回の高畑裕太氏の弁護士の言い分は、示談成立後の“後出しジャンケン”のようにも見え、被害者の了承を得て発表したものなのか疑問を覚えるところがあります。

あの文章を見た被害者が、今頃どんな気持ちでいるかと、考えただけで辛くなります。

その上、後出しジャンケンを、さらに後から間違った情報で擁護するような、鳥越氏の発言には憎しみすら感じます。

ビビットさんには、
「「不起訴ということは『強姦致傷という犯罪はありませんでした』と前橋地検が判断したということ。最初の警察の発表が、事実と違っていたんじゃないかと思わせる」と発言した鳥越俊太郎氏の発言は、事実にそぐわなかった部分がある旨について、補足した方がいいのではないでしょうか。

編集部より:この記事は、一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2016年9月13日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」(http://officerico.co.jp/blog/?p=4321)をご覧ください。

田中 紀子

最終更新:9/14(水) 16:45

アゴラ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

アゴラ-言論プラットフォーム

アゴラ研究所

毎日更新

無料

経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。