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パキスタンにまん延する汚職問題、解決できるのは中国ではない

Forbes JAPAN 9/14(水) 12:55配信

中国の国営企業が8月末、パキスタンの電力事業者Kエレクトリック(K-Electric Company)の買収を発表した。



この買収は1、2か月ほど投資家たちを喜ばせるかもしれないが、パキスタンが抱える最大の問題汚職を解決するものにはならないだろう。

もしもフィンランドや香港、アメリカ、あるいはインドが買収していたら話は別だったが──。なぜなら、これらの国々には中国のような深刻な汚職の問題がないからだ。

Kエレクトリックは国営の独占事業から民間の独占企業へと進歩を遂げ、その過程で既に何度か経営陣が変わってきた。だが新たな経営陣も、組織の非効率性の源である古くからの問題「汚職」「誤ったかじ取り」「不十分なサービス」をから抜け出せていない。

実際、汚職はKエレクトリックに限った問題ではない。それがパキスタン経済全体に広がる問題であることは、国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナルの世界汚職指数ランキングを見ても明らかだ。

汚職問題の解決は、汚職ではなく透明性をもってしか実現しない。中国はまだ国内経済に透明性をもたらすことができておらず、他の国に透明性をもたらすどころではない段階にある。2015年の汚職指数ランキングで、中国は83位。117位のパキスタンと、さほど大きな差はない。

さらに悪いことに、同ランキングにおいて過去5年、パキスタンの順位が上昇している一方で、中国の順位は下落している。これと対照的に、フィンランドは同ランキングで2位、アメリカは16位、香港は17位。インドでさえも76位につけている。

平たく言えば、健全な経営が行われている電力会社の経営権を、海外のオーナーに渡すことそのものは問題ではない。グローバル化した今の時代にはよくあることだ。それに新たなオーナーが、官僚主義と汚職に対抗する現代的な経営や事業計画を導入するならば、全ての利害関係者(株主、労働者、顧客と社会全般)にプラスの効果をもたらし得る。

だがKエレクトリックのように、既に誤ったかじ取りが行われてきた企業の経営権を、中国の国営企業に渡すことは、全ての利害関係者にプラスの効果をもたらす展開とは言えない。

さらに、こうした動きはパキスタンの株式市場の長期的な実績にとって、マイナス要因にもなりかねない。汚職は、フロンティア市場の成長を阻害する最も深刻な要素の1つに挙げられているからだ。

Panos Mourdoukoutas

最終更新:9/14(水) 12:55

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