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元MALICE MIZER初代ヴォーカル、高野 哲が語る"ヴィジュアル系"時代と今のシーン

ローリングストーン日本版 9/14(水) 17:00配信

現在、ZIGZO、nil、THE JUNEJULYAUGUST、インディーズ電力、THE BLACK COMET CLUB BANDで活動する高野 哲。彼は、90年代初頭、まだ"ヴィジュアル系"という言葉も定着していなかった時代・・・あらゆるジャンルが交錯しながらライヴハウスで群雄割拠していた時代にMALICE MIZERを結成し、メジャーデビュー前にバンドを去った。のちに、数々のバンドを経て、その内側と外側からシーンを見てきた男が語る、ヴィジュアル系とは?

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―哲さん、今、幾つバンドをやってるんですか(笑)?

nil、THE JUNEJULUAUGUST、その2つがくっついてTHE BLACK COMET CLUB BAND。あとは佐藤タイジさんとやっているインディーズ電力。さらにZIGZOもあります。ただ、ZIGZOは年に1回くらい感じでの活動ですね。

―ソロの弾き語りだと、ニール・ヤングをカヴァーしていたりと、一体どんなだけ引き出しが多いんだと(笑)。

ニール・ヤングとかは後追いです。世代的には80年代の音楽がリアルタイムで聴いていて。

―スバリ、高野 哲の音楽アイドルは?

プリンスです。あの時代、マイケル・ジャクソンだったり、カルチャー・クラブだったり、エグ味のあるポップスターたちが多かったわけですが、プリンスが一番衝撃だったんですよ。プリンスはただギラギラしているだけじゃなくて、エグさもあったし、闇があったし、なんと言ってもド変態なので(笑)。

―(笑)。プリンスがアイドルならファンク系のバンドに行きそうですが、なんでデビューはヴィジュアル系だったんですか?

うーん・・・。

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―MALICE MIZERですよね?

そうでしたっけね(笑)。バイト仲間だったんですよ。彼らはイメージが大事な人たちだから、バイト仲間っていうキーワードを出しちゃいけないかもしれないけど。18歳の時に、バイト先が一緒だったんです。で、彼等が新しくバンドを組む時に、歌いに来ない?って言われて。いいよって行ったら、あの世界で。文化祭みたいで楽しかったですよ。毎回、自分たちでいろんな企画を立てたりして。それが、僕にとっては未知の世界だったから。彼らが作った音に、僕が歌詞とメロディをつけていったんですけど、パズルをやっているみたいで面白かったし。しかも、メンバーもみんな仲が良かったし。ライヴをやる毎に、文化祭をやってるみたいで楽しいなって思ってたんですけど、いざ人気が出てきて当時メジャーデビューが決まってた時に"俺、この顔で世に出るわけ?"って我に返っちゃって。結局、デビュー寸前に辞めたんですけど、今はネットで当時の写真が転がりまくってる(笑)。どっちにしろ、あの顔が世に出ちゃったっていう。

―こんなインターネット時代が来るとは・・・。

思わなかった。辞めなくても良かったじゃんって(笑)。

―辞めてなかったらGacktさんは世に出ていないってことでしょ?

そうかもしれないですね。まぁでも僕がやり続けてられなかった気もするんですけどね、きっと。当時、デビューは派手だけど、徐々にメイクが薄くなっていくのかなぁって思っていたんですよ。極端にいえば、KISSだって、素に戻りたいってことで一回メイク落としてますからね。でも周りのメンバーを見ると、この人たちは絶対にそうじゃないだろうな、と(笑)。それは"俺はあきらかに違うよね"って思ったのもなんとなく覚えていて。メンバーにそういう話もしていたし。"このままいけば売れるんだろうけど、俺はきっと別れることになると思うから、辞めるのは早い方がいいと思う"って。もう20何年前ですもんね。俺、あんまりこの話をインタヴューとかでしたことないんですよ。もしかしたら初めてかもしれない。本当はしたほうが楽なんですよね。

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最終更新:9/14(水) 17:00

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