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ニッチトップ銘柄に注目!  ガイドワイヤ国内首位の朝日インテック(下)

会社四季報オンライン 9/14(水) 16:41配信

  規模は小さくても卓越した技術力を持ち、世界を舞台に飛躍する「ニッチ・トップ・オンリーワン(NTO)」企業。その魅力に兜町歴40年の清水秀和アナリストが迫る。朝日インテック <7747> の後編は、同社の強みと宮田昌彦社長の経営姿勢を取り上げる。前編はこちら。

 迷路のように枝分かれした人体の血管の患部にたどり着くカテーテル治療では、人命にもかかわるだけに、細かい指の動きを確実に伝える必要がある。治療するドクターが手元で操作した回転角度と同じように、複雑な血管の先でも極細のワイヤの先端が回ること(高い回転追従性)を要求される。

 そのためにはシャフトの部分が非常に重要で、ここに朝日インテックのトルク加工技術が強みを発揮する。そのほかにもガイドワイヤには血管内での滑り性を高めるため、極薄膜をコーティングする技術が必要だ。朝日インテックは、いずれの技術も他社のように外注に出すことがほとんどなく、素材から完成品までの自社一貫生産を基本とする。

 また、当社は創業時の苦しい時代でも研究開発型の企業を志向。最近の売上高に対する研究開発費比率は、9から10%程度の水準で推移している。宮田社長は「腹部や脳など、非循環器系の患部領域の製品の研究開発にも力を入れ、シェアを伸ばしたい」と、将来を見据える。

 “事業は人なり”というが、宮田社長の決断・行動力も敬意に値する。

 第1に、製品への愛情と責任感。11年秋にはタイの工場が大洪水の被害に見舞われた。自然災害によるサプライチェーン(供給網)寸断時にも、人命にかかわる製品だけに自ら現地に赴き、供給責任を果たすため陣頭指揮を執った。

 第2に、ぶれない経営姿勢。決算説明会の会場で決まって質問されるのが、シューズ用ワイヤーなど産業資材関連のデバイス事業を売却し、経営資源を集中するべきではないかという点。これに対し、「祖業のデバイス事業があればこそ異業種との技術交流とアイデアが生まれる」と答える。一本柱の弱さを知る事業家の風貌が垣間見える。

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最終更新:9/15(木) 17:26

会社四季報オンライン

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