ここから本文です

不振のバランス型投信、「悪者説」に異議あり

NIKKEI STYLE 9月15日(木)7時0分配信

 この1年、バランス型投資信託の運用成績が振るわない。少額投資非課税制度(NISA)のスタート前後に証券会社や銀行が販売に力を入れ、その後は「ラップ型」と呼ばれるバランス型ファンドが人気化。投資の初心者層が多く保有する投信だけに、市場には「バランス型の不振が個人の投資マインドを冷え込ませた」と、「悪者」扱いする声もある。果たしてバランス型は本当に悪者なのだろうか。

■金融庁のイチ押し投信?

 どんな資産が値上がりするのかを予想するのは運用のプロでも難しい。だから1つの資産に集中投資せず、国内外の複数資産にベット(賭ける)しておく。投資理論に従えば、値動きの異なる資産に分散投資をすれば、価格変動のリスクも低減できる(はず)。そして、個人にはハードルが高い国際分散投資を投信を通じて実現する――。これがバランス型投信の基本的な考え方だ。
 本来、リスクを抑えてそこそこの利益を上げるのが目的だから、上昇相場に乗って大もうけするのは難しいが、長期で安定的なリターンを望む資産形成層などには向いている。NISAの導入にあたって、金融庁が金融機関にバランス型投信の販売強化を求めたのもうなずけなくはない。そして多くの金融機関は実際にバランス型の販売に力を入れた。それが、足元では「裏目に出ている」(業界関係者)という。
 確かにこの1年、バランス型投信(追加型、ETFを除く842本)のリターンは平均でマイナス2%と、運用成績はさえない。昨年夏のチャイナショックや原油安による世界の株式市場の動揺、そして3年余り続いた円安局面から円高への転換など、市場環境の悪化に揺さぶられた結果だ。
 しかし、バランス型といっても中身は千差万別だ。投資対象の国や資産をきちんと分散しているファンドもあれば、新興国の株式・債券だけ、あるいは先進国の株式と不動産投資信託(REIT)だけに投資するといった、高リスクのファンドも少なくない。バランス型とひとくくりに評価するのは乱暴で、個別のファンドごとに分散投資の中身や運用手法を吟味しなければならない。

1/3ページ

最終更新:9月15日(木)7時0分

NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。