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<青い空白い雲>沖縄に機動隊集結の秋。日活ロマンポルノが復活する!〈サンデー毎日〉

mainichibooks.com 9月15日(木)12時10分配信

 ◇牧太郎の青い空白い雲 連載587

今から45年前の1971年秋は「騒乱の季節」だった。

 沖縄返還協定が6月17日に調印。この協定を批准すべきか? 国論が二分していた。

 当時、僕は27歳の誕生日を迎えたばかりの駆け出し記者。警視庁第一方面本部の警察を担当する「サツ回り」で、連日、激しい批准反対デモを取材。家に帰る暇もなく、築地警察署内の記者クラブ「柳クラブ」に寝泊まりする毎日だった。今でも鮮明に覚えているのは、11月14日の「渋谷暴動事件」である。批准阻止のゼネストに呼応した革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)の学生ら約400人が、渋谷で警戒中の機動隊を火炎瓶で襲撃。関東管区機動隊新潟中央小隊の巡査(当時21歳)が鉄パイプで殴打され、殉職した。

 11月19日、日比谷公園で(僕の目の前で)過激派の学生が投げた火炎瓶で(10円カレーで有名な)レストラン「松本楼」がアッという間に全焼。正確に日時まで覚えているのはその4年半前、早稲田大学の友人が学生結婚した僕のためにパーティーを開いてくれた思い出の場所。「我が青春」が黒焦げになったような気持ちで......取材どころではなかった。

    ×  ×  ×

 その翌日も「思い出の日」になった。後から考えると、この日は昭和の文化史に残る日で、日活ロマンポルノの第1作「団地妻 昼下りの情事」が公開されたのだ。

 50年代後半から60年代は日本映画の黄金時代。日活には石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎、吉永小百合......ドル箱スターが顔を揃(そろ)え「我が世の春」だった。

 ところが、60年代後半から次第に映画の観客数は減少する。テレビが最大の娯楽になっていた。日活は経営難に陥り、71年、ワンマン社長・堀久作が電撃退陣。映画製作は困難になった。映画各社は急激に衰退。この年、日活以外でも東宝が専属俳優の解雇を実施。年も押し詰まった12月末に大映が破産した。映画産業も「騒乱の季節」だった。

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最終更新:9月15日(木)12時10分

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