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【試写室】「はじめまして―」名優たちの感情表現に脱帽

Smartザテレビジョン 9/15(木) 6:01配信

「ごめんなさい、天才です。」

その心は…後ほど。毎クール、各局で放送されているドラマやバラエティーを事前に完成DVDを見て独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を余すところなく紹介する、Smartザテレビジョン流「試写室」。

【写真を見る】最終話で梅田夫婦が最後に「愛しています。」という言葉を掛ける相手とは?

今回は9月15日(木)の夜9時から放送される、尾野真千子主演ドラマ「はじめまして、愛しています。」(テレビ朝日系)の最終話を一足先に視聴し、見どころを紹介する。

主演に尾野、その夫を江口洋介が演じ、ヒットメーカー・遊川和彦が脚本を担当することでスタート前から話題をさらった本作。過酷な条件が課せられる特殊な養子制度を題材に、これまで多くの問題・話題作を手掛けてきた遊川が「本当の家族とは何か」という普遍的なテーマに挑戦してきた。

離婚の危機を乗り越え、ますます仲を深めた美奈(尾野)と信次(江口)の2人は、自分たち夫婦の方がハジメ(横山歩)を養育するのに適していると、家庭裁判所に監護者指定を申し立てる。

児童相談所の真知(余貴美子)から「勝つ確率はゼロに近い」と言われても、2人の気持ちは変わらない。ハジメと再び暮らせるようになるまで何があっても諦めないと固く決意していた。

それからの2人は、自分たちの愛を全ての人に伝えようとの思いで、周囲の人々と向き合っていく。信次は母親に、美奈は父親に、これまでのわだかまりを捨て初めて愛の言葉を伝える。また、美奈はハジメを生んでくれた黒川泉(志田未来)にも思いを込めて手紙を書くのだが…。

監護者指定の申し立ては真知の予想通り却下されるが、美奈たちは高等裁判所への上訴をすぐさま決断。そんな中、泉が「死なせてほしい」という遺書を残して姿を消してしまう…というストーリー。

まずハジメに…いや、初めに言いたいのは志田未来って天才じゃね?ということ。ネタバレ的なことがあるので、詳細は割愛するとして、このドラマにおいて志田は最終話を迎える時点でまだ一言も喋っておらず、完全に存在感を消していたのだが、最終話のとあるシーンで志田の天才っぷりが全開になる。

連続ドラマに途中からレギュラー参加することは他の作品でもあることだが、最終話の志田はまるで最初からこのストーリーを紡いできた一員だったかのような存在感で、流石は若くして演技派女優と称されるだけのことはある。

大げさではなく、間違いなく多くの人が志田に泣かされることだろうと思うのでハンカチの用意をお忘れなく、志田の天才っぷりに注目していてほしい。

天才女優という意味では、その志田演じる泉の母親を演じた富田靖子もそう。こちらは、今作では“ラスボス”のような役回りを果たしているが、目が笑っていない女性を演じさせたら彼女の右に出る者はいないのでは?

富田の、熱血教師を批判する学園ドラマの“モンスターペアレンツ”あるいは“PTA会長感”。画面に映るだけで嫌~な空気を出す力は、並大抵の演技力では出せないシロモノだ。最後まで梅田夫婦の前に立ちはだかる彼女に、思う存分嫌悪感を抱いてほしい。それこそ天才・富田の勝利なのだから。

当然ながら主人公・美奈を演じた尾野もこのドラマをずっと引っ張ってきた天才の1人だ。ここまで喜怒哀楽を全身で表現できる女優はなかなかいないのではないだろうか。そしてそのスイッチの切り替えの早さ・自然な流れも驚きの一言。

特にハジメが来る前、来た後、そして去った後と、1クールの間にいろいろな感情表現を見せてきたが、ハジメといるときはやっぱり母親にしか見えないし、父・追川真美(藤竜也)といるときは愛に飢えた子供にしか見えない。それも押し付けがましさを全く感じさせず…。

彼女だからこそ、この美奈という女性は魅力的に映ったのだろうし、こんなにも人間味のあふれる女性に“成長した”のだろう。最終話でも美奈の人間臭さというか、底知れぬ愛情深さが見られるので、愛に飢えている人にもぜひ見てもらいたい。

そして、天才と言えばこの男を忘れてはいけない。そう、ハジメこと横山歩“先生”だ。もちろん脚本&演出あってこそなのは確かだが、それを体現する技術というか、全身全霊で役を生きるというか、それこそ天才子役という陳腐な言葉で片付けられないすごさがあった。

それはもう3カ月間、彼がハジメという役に真剣に向き合い、全力で表現してきたことが分かるからこそ感じるすごみであり、彼のちょっとした顔の角度で感情の起伏を表すテクニックは、延長戦を戦い終えた高校球児以上の勢いで脱帽したくなるほどだ。

とにかく浮気した日に無駄にテンションがあがってすぐバレてしまう筆者としては、横山先生に師事して演技を学びたいくらい。そうすれば修羅場ももうちょっと減るのに…。

妄想の設定で脱線したが、最終話でもずばぬけた演技を見せてくれるので、最後まで先生から目を離さずにいてほしい。

個人的には、藤竜也の不器用な天才音楽家っぷりもたまらなく大好きだが、江口扮(ふん)する信次の妻への愛情表現の天才さ、その他の梅田ファミリーの天才的なタイミングの良さ・悪さ、余貴美子の天才的ピエロっぷりも堪能できるので、どこからでも点が取れる重量打線のような本ドラマを最後まで見逃さずに…。

そしていつか「愛しています」と言えるような人ができたのなら、悩むまでもなく、言ってあげてほしい。

クサイこと言ってまとめた感があるけど、おまえが早く愛する人見つけろって? ふっ、既に10年以上愛していますよ…この仕事を。



すいません。はじめから、やり直します。

最終更新:9/15(木) 6:01

Smartザテレビジョン

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