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スイカも使えるiPhone7 金融界の衝撃

週刊文春 9/15(木) 12:01配信

 米アップルが16日から全世界で発売するiPhone7が、金融界に衝撃を与えている。日本仕様のみ、10月からスイカに対応し、電子決済サービス・アップルペイの全面展開を開始するためだ。

 実は、アップルは3月から秘密保持契約を結んで、ソニーが開発した非接触ICカード技術・フェリカを搭載する準備を進めてきた。アップルが他社のチップを採用するのは異例だが、「ドル箱である日本でのシェア維持・拡大のために方向転換した」(ITアナリスト)と見られている。

 スマホを使った電子決済サービスでは、アップルとグーグルが火花を散らしている。グーグルのアンドロイドペイは、今秋から日本でサービスを開始する予定だ。タッグを組むのは三菱UFJフィナンシャル・グループ。三菱東京UFJ銀行のデビットカードやニコスのクレジットカードが使えるようになる。

「グーグルは、他行やスイカを持つJR東日本にも相乗りを呼びかけているが、まずはグーグル・三菱連合が、金融とITの融合を目指すフィンテックでトップを走っていると思われていた」(同前)

 その最中に飛び込んできたのが、今回の発表だった。

「アンドロイドペイの弱点は、フェリカに対応していないこと。日本では、フェリカの読み取り装置が約200万台と圧倒的に多く、電子決済インフラとなっている。アンドロイドペイは、コンビニなどで読み取り装置を置いてもらう必要がある。アップルペイはフェリカ搭載によって、日本の電子決済市場を席巻するでしょう。三菱にとっては、グーグルとの提携が大きく報じられたのが痛かった」(同前)

 グーグルとアップルのビジネスモデルは異なる。

 アンドロイドペイは、日本のみならず海外での利用も可能で、決済手数料も無料。金融機関やクレジットカード会社の負担はない。その反面、利用者の消費行動に関するデータを収集・分析し、広告の精度を高めるのに使う。

 一方、アップルペイは海外ではクレジットカードの支払い金額の0.15%を徴収するという手数料モデルだ。

 スマホの決済端末化が進めば、ATMや支店の統廃合に直結する。iPhone7はその大きな分岐点となるか。


<週刊文春2016年9月22日号『THIS WEEK 経済』より>

森岡 英樹(ジャーナリスト)

最終更新:9/15(木) 12:06

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