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美味とはいえ…「フグ肝が食べたい」要求は犯罪になるかも? 事件から読む食品衛生法

オトナンサー 9月15日(木)10時0分配信

 大阪のフグ料理専門店が、法律で提供が禁止されている「フグ肝」を客に出し、経営者が食品衛生法違反で逮捕・起訴された事件は記憶に新しいことでしょう。

 「フグは食いたし命は惜しし」の言葉通り、毒で死ぬことを覚悟しても食べたいほどの濃厚な美味とされるフグ肝ですが、こうした事件に発展しないように、フグを扱う業者や飲食店、そして私たち消費者はどんなことに気を付けるべきでしょうか。

強く要求すれば共犯の可能性

 弁護士の藤原家康さんによると、食品衛生法が取り締まるのは基本的に、フグ肝などの危険部位を提供(調理・販売)する側で、もし提供すれば「3年以下の懲役または300万円(法人は1億円)以下の罰金」の罪になるといいます。

 そして危険部位を提供した場合、飲食店の許可取り消しや営業禁止(停止)などの行政処分を受けることもあり得るそうです。

 では、飲食店などで提供されたフグ肝を食べた場合、私たちは罪に問われることになるのでしょうか。答えは「基本的にはノー」(藤原さん)。ただし、客が強く要求して提供させた場合は“共犯”になる可能性があるといいます。

 客の要求を受けて提供した店側は当然、食品衛生法違反に問われることになります。

死亡や中毒なら業務上過失致死傷罪、さらに損害賠償責任も

 こうしたルールは店頭販売も同様で、危険部位を提供した販売業者は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」を科せられます。買った人は原則、罪に問われることはありませんが販売を強く要求した場合、やはり“共犯”になる可能性があるそうです。

 ちなみにフグの消費量が多い大阪では、フグ販売営業の許可を受けないまま、危険部位を除去していない「丸フグ」を処理設備のない店などに販売することを条例で禁じており、違反すれば「6カ月以下の懲役または20万円以下の罰金」の罪になるといいます。

 藤原さんは「フグ肝を食べる人は原則、罪には問われませんが死ぬリスクがあります。業者側は食べた人が死んだり、中毒を起こしたりした場合、業務上過失致死傷罪で『5年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金』の罪になるほか、民事上の損害賠償責任も負うことになります。客に頼まれたからといって、フグ肝や卵巣を提供することは極めて大きなリスクです」と話しています。

オトナンサー編集部

最終更新:9月15日(木)12時13分

オトナンサー