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携帯電話もインターネットも不通。山奥に湧くぬる湯で紅葉狩りを!

旅行読売 9月15日(木)18時10分配信

源氏の湯
十谷上湯(じっこくかみゆ)温泉/山梨

 「うおおお、気持ちいい!」
源泉かけ流しのぬるい内風呂につかった瞬間、思わずひとりごちた。宿に向かう前に大柳川(おおやながわ)渓谷遊歩道の散策で1時間30分近くも歩き、汗みどろになった身には、ぬる湯がことのほか心地よい。
 昨年秋に訪ねた時、宿に続く一本道は、真っ赤なナナカマドやカエデ、さらにブナなどの黄色に杉の緑が混じり、車のフロントガラスは「動く色絵巻」そのものだった。すれ違いが困難なその細い道のどん詰まり、入り口の門をくぐって宿「源氏の湯」への下り坂から見下ろすと、眼下の赤い屋根の建物が紅葉の中に埋もれて見えた。
 黄や橙色の中、深紅のカエデやナナカマドがひときわ鮮やかだ。素朴な一軒宿のトタン屋根が、むしろ自然に調和している。

 風呂は男女入れ替え制の内風呂二つと、つり橋で川を渡ったところに湯けむりを上げる混浴渓流野天風呂がある。この野天風呂の風情が格別だ。大柳川の流れと堰堤(えんてい)の滝を間近に望む岩造りの湯船(熱交換による加温とかけ流し併用)と、その脇に大岩が屋根になった源泉かけ流しの「かじかの大岩風呂」がある。秋には露天風呂から紅葉狩りが可能で、深紅や橙、黄色、そして常緑樹の緑に彩られる。
 混浴渓流野天風呂は時間によって男女別利用になり、混浴タイムには男性も湯浴み着を利用(無料)する。夜は21時まで、翌朝は6時から入浴できる。
 かけ流しにこだわる湯は、地下1000メートルからくみ上げる源泉で、泉温31 .3度のカルシウム・ナトリウム―塩化物泉。無色透明ながら、かすかな硫黄臭と弱塩味、強めの苦味がある。pH8.6とややアルカリ性の割にヌルヌル感がないのは、天然温泉成分の妙といえるだろう。
 内風呂もかけ流しにこだわる。大茶釜から湯が注がれる「ぶんぶく風呂」は、源泉浴槽のほか、熱交換で約42度に加温した源泉と、温度調節のための循環湯とのかけ流し併用の浴槽がある。
 一方の「ながめ風呂」は浴槽が三つに仕切られている。源泉浴槽(約29度)と、熱交換・循環併用の温度の違う二つの加温浴槽(約36度と約41度)があり、交互浴を楽しめる。ぬる湯と加温湯を行ったり来たりして、あっという間に1時間以上が過ぎていた。

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最終更新:9月15日(木)18時10分

旅行読売

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