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祝・国民栄誉賞。謎めいた伊調馨の人柄がわかる「3つのキーワード」

webスポルティーバ 9月15日(木)11時27分配信

 9月13日、リオデジャネイロオリンピックで「日本史上初」「レスリング史上初」「女子史上初」となる大会4連覇を達成した伊調馨(いちょう・かおり/ALSOK)の国民栄誉賞受賞が閣議で決定。受賞理由を菅義偉(すが・よしひで)官房長官が、「人一倍の努力と厳しい修練の積み重ねにより世界的な偉業を成し遂げ、多くの国民に深い感動と勇気、社会に明るい希望を与えた」と発表したことを受け、同日午後4時から東京・新宿にある京王プラザホテルで会見が行なわれた。

【写真】決勝終了後、伊調馨は姉の千春と握手を交わしながら涙を流した

 国民栄誉賞は2013年の長嶋茂雄・松井秀喜以来24例目。レスリングでは2012年、世界大会13連覇の吉田沙保里に続いてふたり目の快挙となるが、吉田と比べて人柄や普段の練習についてあまり知られず、まさに“ベールに包まれた女王”といった感のある伊調。今回の受賞に至る経緯から見えてきた「3つのキーワード」を軸に、彼女の人物像に迫ってみたい。

 まず、ひとつ目は、「求道」。

 北京オリンピック以降、練習の拠点を母校・中京女子大(現・至学館大)のある愛知・大府(おおぶ)から東京に移した伊調は、出稽古で男子の選手・コーチと練習するようになると、レスリングの奥深さを知り、以来レスリングを極めんと孤高の道を歩んできた。

 目指すのは、「今よりずっと高い技術力があり、偶然とか力ずくではなく、試合前にイメージしたとおりの展開になり、攻めるにしても、守るにしても、すべてが理にかなっている、説明のできるレスリング」。

 そのため、「勝負」より「技術」を追うようになり、目標とするレスリングができなければ、世界選手権で優勝しても満足せず、自己採点は「45点」や「25点」。ロンドンでオリンピック3連覇したときですら、「甘く見て、70点。まだまだ技術不足。もっと技を出さなければいけなかったし、質が悪い」。さらに、決勝戦で残り30秒から大逆転したリオでの戦いは、「最悪の5点。金メダルを獲れたことを足しても30点」と厳しく、試合後の会見でも、「できるなら、同じ相手ともう一度勝負し直したい」と悔やんでいる。

 そして、「東京でオリンピックをやるのは、なかなかない。挑戦してみたい気持ちはある」と意欲をのぞかせながらも、近ごろは、「レスリングはやめたくない。やりたい、健康体ならいつまでも。でも、いつかはやめなければならないから、コーチになってレスリングを追求するというのもいいかなと思っています」と発言している。

 ふたつ目は、「感謝」。

 国民栄誉賞受賞の会見で、「この受賞を今、一番に伝えたい人は?」と問われた伊調は、次にように語った。

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最終更新:9月15日(木)11時27分

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