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恐竜に濃淡のカムフラージュ模様、初めて見つかる

ナショナル ジオグラフィック日本版 9/15(木) 17:10配信

森の中で目立たない、プシッタコサウルスの生存戦略

 白亜紀前期の小型の草食恐竜は、腹をすかせた捕食者の目をあざむくために、カムフラージュ模様を身にまとっていたらしい。

【再現写真】プシッタコサウルスが森の中でカムフラージュ

 研究者が保存状態の非常に良い恐竜の化石を分析したところ、その体色は背中側が濃い茶色で、腹側が薄い茶色になっていたことが明らかになった。現在の動物にも同様の濃淡のパターンが見られるが、恐竜でこうした模様が確認されたのは今回が初めて。科学誌『カレント・バイオロジー』に論文が発表された。

 論文の共著者で英ブリストル大学の古生物学者ヤコブ・ヴィンザー氏は、「この化石のように縞模様や斑点などの色のパターンがはっきり分かる恐竜化石は、ほかにありません」と言う。

1億2000万年前の中国で

 この化石にはもう一つ、ちょっと恥ずかしい特徴がある。フンをしている最中のように見えるのだ。化石の尻から出ている丸みを帯びたものは、犬のフンによく似ている。研究者は骨かもしれないと言うが、その組成は糞便であることを示している。

 ヴィンザー氏は電子メールで、この恐竜は「排便の最中に死んだわけではないと思います」と回答した。死骸の中で発生したガスが腸内の排泄物を押し出したのかもしれないし、恐竜の死後も腸の蠕動運動が続いていたのかもしれない。

 この恐竜はプシッタコサウルス(Psittacosaurus)という。直訳すると「オウムトカゲ」だ。大きさはゴールデンレトリバー程度で、頬には大きな突起があり、オウムのようなくちばしを持ち、尾にはブラシのような剛毛が生えていた。

 今回の化石のプシッタコサウルスは、1億2000万年前に現在の中国にあたる地域に住んでいた。そこには体重が1トン以上あるユウティラヌスや、やや小型のディロングといった、ティラノサウルスの仲間の捕食者も生息しており、小型の草食恐竜にとって安全とはいえない環境だった。

 プシッタコサウルスの体色の濃淡は、化石に残っていたウロコから明らかになった。この色合いは、腹を空かせた肉食動物の目をあざむくのに役立った可能性がある。ヴィンザー氏の説明によると、現在の捕食動物はものの陰影を利用してその形を認識しているため、獲物となる動物の中には、「カウンターシェーディング(明暗消去型隠蔽)」という方法で捕食者の目をあざむくものがいるという。光が当たる背中側の色を暗く、陰になる腹側の色を明るくすることにより、体を平べったく見せるのだ。

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最終更新:9/15(木) 17:10

ナショナル ジオグラフィック日本版

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