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【MLB】米国スポーツ界で相次ぐ人種差別への抗議が、MLBに広がらない背景。「野球は白人のスポーツ」

ベースボールチャンネル 9月15日(木)19時0分配信

MLBに影響なき、人種差別への抗議

 米国のスポーツ界では、人種差別への抗議が相次いでいる。
 しかし、その動きはまだMLBに影響を及ぼしていない。

 NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)では、サンフランシスコ49ersのコリン・キャパニックが試合前の国歌斉唱中に両腕を組んでひざまずき、人種の不平等や相次ぐ警察の暴力に対して抗議を続けている。

 人種差別の抗議に対する動きはNFLだけでなく、NBAやWNBAの選手たちにも広がっている。こういった動きがMLBに広がらない理由についてボルチモア・オリオールズのアダム・ジョーンズがメディアに対して「野球は白人のスポーツだ」と前置きをした上で、こう詳細な理由を説明した。

“We already have two strikes against us already, so you might as well not kick yourself out of the game. In football, you can't kick them out. You need those players. In baseball, they don't need us.“
「我々(アフリカ系米国人選手)はすでにツーストライクと追い込まれている。(何か騒ぎを起こして)追放されないようにしないといけない。NFLでは、彼らを必要としているためアフリカ系米国人選手を追放することはできない。一方で、野球の世界では、我々を必要としていない。」

アフリカ系米国人メジャーリーガーはリーグのたった8%

 1947年ジャッキー・ロビンソンは人種の壁を乗り越えて、ブルックリン・ドジャースに入団してプレーをした。だが近年メジャーリーグでは、アフリカ系米国人選手の減少が目立っている。今季メジャーリーグ30球団の開幕ロスター中アフリカ系米国人は、たったの69人に留まり、リーグ全体の8%に過ぎなかった。

“Baseball is numbers. It's 8 percent black. I didn't make that up, In football, basketball, the numbers are in the 60s and 70s. These aren't made up numbers. It just is what it is. I'm part of the 8 percent.“
野球は数字である。8%がアフリカ系米国人だ。それは私が勝手に言っていることではなく、事実だ。フットボール(NFL)やバスケットボール(NBA)では、その数字が60もしくは70%になる。それらも誰かが勝手に言っている数字ではない。それが現実だ。私は8%の一部でしかない。

 NFLでは開幕ロスターのうち68%がアフリカ系米国人。さらにNBAでは、74%がアフリカ系米国人と全米紙『USA TODAY』で具体的に報道されている。

『USA TODAY』のボブ・ナイチンゲール記者はMLBではたった8%と、アフリカ系米国人の割合は少ないことを指摘した上で、アフリカ系米国人の誰かが人種の不平等や警察の暴力を抗議しても、MLBの所属チームから解雇され、すぐにメジャーリーグから追放されることには繋がらないだろうと、推測している。

 しかし野球界は保守的だ。そしてどのプロリーグよりも多い162試合、つまりファンの前で国歌斉唱を162回行う中で、そのような行動を起こせば、ファンや他のチームの選手らに嘲笑され、排斥される可能性はあるという。

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最終更新:9月15日(木)19時0分

ベースボールチャンネル