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9・11で金儲けを企てたトランプ

ローリングストーン日本版 9月15日(木)13時30分配信

ヒラリー・クリントン前国務長官が推進した連邦復興基金からの支援金を受けたトランプに批判の声が上がっている。

マイケル・ムーアが指摘:「ドナルド・トランプは、本当は大統領になんかなりたくないんだ」

ジョージ・W・ブッシュとジョン・ケリーが争った2004年の大統領選以降、民主党と共和党の間には、「9月11日には選挙キャンペーンを一時休戦する」という不文律がある。

大統領候補者は自らの所得を公開する、という慣例には従わないドナルド・トランプも9・11の不文律には従う方針で、クリントン陣営と共に2016年9月11日には9・11の犠牲者と家族のために祈り、選挙キャンペーンを24時間中断することを決めた。

特に予備選挙中は、両陣営とも国の危機である9・11に関してはあまり上手く対応できていなかった。トランプは、「ニュージャージーのイスラム教徒がツインタワーの崩壊を見て歓喜の声を上げていた」、などといういい加減な主張を繰り返した。ヒラリー・クリントンは、民主党予備選のライバルだったバーニー・サンダースにウォール街との密接な関係を指摘され、苦し紛れに9・11のテロ攻撃に話題を転換した。

クリントンとトランプの両陣営が本拠地を置くニューヨーク市に大きな傷跡を残した9・11後の対応にどれだけ貢献してきたか、両者はそれぞれの主張を展開している。クリントンは大規模な復興基金の設立に奔走し、トランプは設立された基金から援助を受けた。

9・11当時、クリントンはニューヨーク州選出の上院議員になって8ヶ月目だった。トレンチコートに身を包み、青い顔をした彼女がグラウンド・ゼロの被害状況を視察する姿を捉えた写真が残されている。2001年9月11日の出来事を受けクリントンは、議会においてイラク戦争の開戦や米国愛国者法(PATRIOT Act)に賛成の立場を取り、上院議員を2期務めることとなった。愛国者法は、礼状なしでの監視活動等、政府の権限を大幅に拡大するものだった。


9・11復興基金に関する記者会見に臨むニューヨーク選出の上院議員チャック・シューマーとヒラリー・クリントン(2002年3月)(Photo by Brooks Kraft/CORBIS/Corbis via Getty Images)

9・11後の数年間クリントンは、グラウンド・ゼロの第一対応者の健康被害に対応するための法律成立に奔走し、また、ホワイトハウスや環境保健局がニューヨークの人々にグラウンド・ゼロ周辺の空気の安全性レベルについて意図的にミスリードしたのではないか、という疑惑を追求するための聴聞会を開催した。それに先立ち9・11直後は、同じくニューヨーク州選出のチャック・シューマー上院議員と共に、復興へ向けての連邦基金設立へ向けた活動を熱心に行っていた。

9・11から4ヶ月後の2002年1月、当時の大統領ジョージ・W・ブッシュはホワイトハウスのローズガーデンで、基金の法案成立に尽力したクリントンとシューマーに対して感謝の言葉を送った。法案にはニューヨーク復興のための約200億ドルの予算が含まれていた。

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最終更新:9月15日(木)13時30分

ローリングストーン日本版

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