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ローソン、三菱商事子会社化で狙う2つのこと

東洋経済オンライン 9月15日(木)12時5分配信

 「ローソンとしても成長させていくことは徹底的にやる。ただ、今の(海外市場の)成長速度だと人手が足りない。そういう意味では要所要所でリーダーシップを発揮できる人材の支援が必要となる」。2016年7月に中国・上海市内で行われた会見で、ローソンの玉塚元一会長は三菱商事との連携についてこう語っていた。

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 三菱商事はコンビニエンスストアの国内店舗数3位のローソンを子会社化する方向で検討に入った。TOB(株式公開買い付け)を実施し、出資比率を現在の33.4%から過半数以上への引き上げを目指す一方、ローソンの上場は維持する方針だ。

■3位に転落したローソンの挽回策

 9月1日にはファミリーマートと「サークルKサンクス」を持つユニーグループ・ホールディングスが経営統合し、店舗数や国内売上高でローソンを抜いて2位に躍り出た。

 また、店舗数首位のセブン‐イレブンに対してローソンは、日販(1日当たりの1店売上高)で約11万円少ない。コンビニ業界での埋没を避けるためにも、三菱商事のバックアップを強固にしたいというローソンの思惑が垣間見える。

 今回の出資比率の引き上げに関しては、すでに伏線があった。

ローソン子会社化への伏線とは?

 2016年3月には玉塚氏が社長から会長に、三菱商事出身の竹増貞信氏が副社長から社長に昇格する人事を発表した。それぞれの管掌は変わらない一方で、三菱商事出身者が社長になったことで「今後は三菱商事がローソンへの関与度を高めていく」(競合役員)という見方があった。

 三菱商事の側にもローソンへの関与を深めたい理由がある。原油など商品市況の急落でこの10年間稼ぎ柱だったエネルギー・金属事業が苦戦。今年4月に三菱商事社長に就任した垣内威彦氏は、5月に発表した新中計で資源分野の投資残高を増やさない一方、非資源分野への投資加速を経営戦略の中核に据えている。中でもコンビニは消費者との接地面積が大きく、今後、非資源分野での中核的なプラットフォームになっていくことは間違いない。

■三菱商事の社長は前ローソン社外取締役

 しかも垣内氏は元生活産業グループCEO(最高経営責任者)。畜肉の営業部門一筋で、直近までローソンの社外取締役を10年間務めた食料・流通部門のプロだ。

 投資先への経営関与を深める“事業経営”を標榜し、東洋経済が4月と5月に行ったインタビューでは「(ローソンには)必要であれば今まで以上に積極的に株主としてサポートしていく。今より深く経営にかかわっていくという風に取ってもらっても結構だ」と話していた。

 ローソン社長に昇格した竹増氏は同じく三菱商事で畜産畑を歩んでおり、かつての垣内氏の部下だった。こうした人事も今回の出資引き上げに影響したと考えられる。

 出資比率の引き上げに伴い、ローソンが三菱商事に求めるものは大きく2つある。

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最終更新:9月15日(木)14時15分

東洋経済オンライン

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