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神東塗料がストップ高、謎の急騰劇は「バラスト」違い? 

会社四季報オンライン 9/15(木) 19:21配信

 15日の株式市場で、住友化学系の塗料メーカーである神東塗料 <4615> の株価が急騰した。一時は前日比50円高の213円と制限値幅上限のストップ高水準まで上昇。終値は同27円高の190円で、東証1部の値上がり率トップとなった。出来高も前日の2万3000株から一気に401万1000株へ膨らんだ。

 急騰劇をめぐって、多くの市場関係者は首を傾げる。というのも、個別で新規の好材料が出てはいないとみられるからだ。会社側も「何か発表したわけではない」(総務部)としており、真相は薮の中だ。

 こうした中で考えられるのが、株式市場で最近人気を集めている「バラスト水処理関連銘柄」と誤解されて物色の矛先が向かった可能性である。

 「バラスト水」とは、貨物船が貨物を積んでいないときに船体を安定させる目的で船底に取り込んでおく海水のこと。荷揚げした港で海水を取り込み、積み荷を行う港で船外に排出する。その際、海の生き物がバラスト水で運ばれ、本来はいないはずの海に放たれてしまうことで、生態系の破壊を引き起こしてしまう。

 このため、排水に伴って海洋生物がまき散らされてしまうのを防ごうと、船底のタンクにバラスト水として入れる海水を浄化するための処理装置の装備を貨物船に義務づける国際条約が2017年9月に発効する。これを受けて株式市場では、バラスト水の処理装置のメーカーや装置向けのポンプを製造している会社などが「関連株」として注目されているのだ。

 ところが、神東塗料がかかわっているのは同じ「バラスト」でも、船舶用のバラスト水ではなく、鉄道の線路・軌道の道床に使用されている砕石・砂利のこと。その飛散防止のための安定剤を手掛けているという。会社側では「船舶関連は手掛けていない」(総務部)としている。

 このバラストを勘違い、あるいは故意に関連性を強調した向きが、バラスト水処理関連の出遅れとして神東塗料株を買った可能性がありそうだ。株価が低位で手掛けやすいため、急騰劇を目の当たりにした短期の値幅取り狙いの投資家の資金が流入した側面もあるとみられる。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

四季報オンライン

最終更新:9/15(木) 19:46

会社四季報オンライン

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