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「日本の男子バスケはアマチュア気分でいて勝てるわけがない」川淵三郎×前園真聖【Bリーグ開幕直前対談】

週刊SPA! 9/15(木) 9:10配信

 来る22日、Bリーグが開幕する。トップリーグの分裂騒動や国際試合からの締め出しを経て、ついに誕生したバスケットボール界の統一プロリーグ。しかし、期待が高まる一方で、Bリーグの成功を不安視する声も。Bリーグ誕生の立役者である川淵三郎氏は、開幕を前に今、何を思うか。タレントとして八面六臂の活躍を続け、SPA!特命記者という肩書も持つ前園真聖が直撃した!

前園:滑り込みでオリンピック予選に参加できた日本バスケチームですが、男子は残念ながら予選で敗退した一方、女子は本大会で準々決勝に進出する躍進を見せました。5連覇中のアメリカと当たらなかったら、メダルも狙えましたね。

川淵:僕は本大会出場が決まったときから、「ベスト8なんてケチなことは言わずに、メダルを狙え」とずっとはっぱをかけていました(笑)。

前園:彼女たちはフィジカル面では劣っていましたが、それでも世界に通用する可能性を見せてくれました。これはサッカーやラグビーも一緒だと思いますが、アジリティや判断の速さは世界で通用する。一方で男子はオリンピックの出場を逃しました。今後の強化をどのように考えていらっしゃいますか?

川淵:女子は動きの質と量、粘り強いマーク、それから3ポイントシュート。こういう特徴を生かしながら戦っていました。それに比べると、男子は目指す戦術が見えてこないのが気になります。バスケ強豪国の一つであるアルゼンチンがいい例で、体のサイズは日本とほぼ同じですが、アテネオリンピックでは金メダルを取ったし、今回もベスト8。いいお手本だと思います。東京オリンピックまでの4年間、男子も女子のようにスピードや運動量など、どの部分を武器にするのか、明確にしたうえで強化しなければいけない。メダルを目指すぐらいのつもりでやらないと、いい成績は残せないです。

前園:そもそもバスケの場合、東京オリンピックの出場も決まっていないですし。

川淵:少なくともアジアで上位にならないと、開催国でも出場できないから。男子が開催国でありながら出場できないということになったら、これは恥だよ。世の中に絶対ということはないけど、これは絶対に出ないとダメ。そのためにどうするのかを協会、リーグ、それから各クラブが方向性を明確に出して、それに向かって強化していかなければならない。これまではリーグが2つに分かれていたことで、まとまっての代表強化や海外遠征を計画的にできなかったが、今回、一つにまとまったので、ここから大きく変えていかなければならないと考えてます。

前園:そういう意味でもBリーグの存在が大事になると思います。

川淵:サッカーもJリーグができて世界で戦えるようになりました。プロ化によって選手のモチベーションが上がり、環境も整備され、激しく厳しい試合が増えていったのが大きいです。また、海外の一流選手が入ってきたことで、日本人選手にもプロ意識が芽生え、大きく変わっていきました。Bリーグができたことで、プロとしてのプライドを持って、その環境の中でどれだけ厳しい練習をするかが重要です。去年、ステフィン・カリーに会う機会があったのですが、どれぐらい練習するのか聞いたら、最低でも5時間はやると言っていました。しかも全体練習の後に5か所で5本ずつ、合計25本のシュートを打って、1回もミスしなかったら終わりにすると。逆に言えば、1本でもミスしたら練習し続けるということです。世界一の3ポイントシューターが、それだけ練習しているのに、日本人が以前と同じようなアマチュア気分でいて勝てるわけがないですから。

※このインタビューは9/13発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです

【川淵三郎】

’36年、大阪府生まれ。Jリーグ初代チェアマン、日本サッカー協会会長を歴任後、FIBA主導で設立されたタスクフォースのチェアマンとして日本バスケ界を改革。その後、日本バスケットボール協会会長に。現在はエグゼクティブアドバイザー。首都大学東京の理事長も務める

【前園真聖】

’73年、鹿児島県生まれ。高校卒業後、横浜フリューゲルスに加入。アトランタ五輪代表主将としてブラジルに勝利した「マイアミの奇跡」の立役者。引退後はタレント活動、本誌特命記者として取材も。TV番組での取材をきっかけに、Bリーグの特命広報部長に就任

取材・文/小野寺俊明 撮影/寺川真嗣

日刊SPA!

最終更新:9/15(木) 9:10

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