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株式会社ゆこゆこ | ビジネスパーソン研究FILE

就職ジャーナル 9月16日(金)10時0分配信

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株式会社ゆこゆこ

おかむら・まい●営業1部 営業4グループ 近畿チーム。立教大学観光学部交流文化学科卒業。2012年4月入社。大学での専攻が生かせる旅行業界と日本を元気にできる広告業界を中心に、約15社にエントリー。ゆこゆこの存在はリクナビで知った。広告出版会社からも内定を得たが、“採用企業と学生”ではなく“人と人”で気負わずに話すことができた面接の雰囲気と、一緒に働く人たちに好感を持てたことが、現社の入社への決め手となった。
■ 入社2年目に新企画のプロジェクトリーダーに抜てき。その経験が大きな自信に

ゆこゆこは、シニア領域No.1を目指し、「泊まる」「遊ぶ」「食べる」などの“愉しみ”の情報を届けている企業。宿泊情報誌『ゆこゆこ』と国内宿泊予約サイト『ゆこゆこネット』を発行・運営している。旅館やホテルなどの宿泊施設に対して、平日集客に向けた企画提案やコンサルティングの提供を行い、年間269万人を送客している(2016年6月末実績)。

 

2012年に入社した岡村麻衣さんは、営業5年目。宿泊施設が自社では集客しづらい平日の送客増加をミッションに、企画提案に取り組んでいる。
「営業の仕事は、宿泊施設を訪問し、担当者の話に耳を傾けるところから始まります。話を聞きながら課題を見つけ、料理や特徴的な施設など宿の魅力をアピールするさまざまなプランを提案し、集客につなげています」

 

情報誌やネットへの掲載が決まったら、その原稿を制作するのも営業の仕事。
「原稿制作では、正しい内容をわかりやすく載せることが重要。たくさんある情報をすべて載せようとすると、文字だらけになってしまうので、シニアの目線に立った情報の取捨選択を心がけています」

 

掲載後は、予約状況を毎日確認し、宿泊施設に部屋を確保してもらう交渉を行う。
「『ゆこゆこ』への情報掲載料は無料。掲載したプランに予約が入ると、宿泊施設から送客手数料が入る仕組みです。当社の事業は予約代行なので、部屋を確保できなければ予約は成立せず、営業の売り上げにもなりません。ですから、日ごろから宿とコミュニケーションをとって懇意にしておくことが大切。そうすることで『じゃあ、この日の部屋をあげるよ』と、快く対応してもらえるのです」

 

岡村さんが入社して最初に担当したのは、京都北部の宿泊施設。京都駅から車で3時間近くかかる遠方エリアで、どこも平日の集客に苦戦していた。配属後しばらくは先輩の営業に同行し、先輩のトークや営業部会で共有された成功事例などを参考に、営業ノウハウを身につけた。そして半年後、先輩から約20施設を引き継いでひとり立ちした。
「引き継いだ当初は、先方担当者に『前任者はこうではなかった』と比較され、泣きそうになりましたが、営業部の先輩の温かい言葉や新人時代の失敗談に励まされ、乗り越えることができました」

 

辛抱強く電話や訪問を続け、提案を重ねていくうち、半年後にはその担当者も心を開いてくれるように。
「一生懸命取り組んでいれば、思いは通じるものですね。担当を離れるあいさつに行った際には、『今度はプライベートで来てね』とやさしい言葉をかけてもらい、感激しました」

 

入社2年目、カニが有名な京都北部、北陸エリア、中国・四国エリアを担当する営業メンバーによる、新しいプロジェクトがスタートした。従来のようなお得プランではなく、水揚げ漁港のタグを付けてブランド化されている高級な活ガニを“売り”にした高額プランを特集し、12月に『カニ別冊』を発行しようと考えたのだ。そのリーダーに抜てきされたのが、岡村さんだった。

 

まずは上層部へのプレゼンテーションの準備。初めての岡村さんは、上司にアドバイスをもらいながら、「なぜやりたいのか」を導入に仮説を立て、予約見込み数などのデータで盛り込んだ資料を作成し、プレゼンに臨んだ。
「プロジェクトチームにはキャリアの長い先輩もいますし、他部署も巻き込んでいかなければなりません。若輩者の私が周囲を動かすのは大変でしたが、気持ち良く協力してもらえるよう会話量を増やし、事前にやるべきことを伝えておくよう心がけました」

 

最終的には、通常号の巻頭特集にすることに決定。1万円台が中心の『ゆこゆこ』に、特集として初めて2万~4万円の高額プランが掲載された。
「宿によって多少ばらつきはありましたが、全体的に予約は好調でした。クチコミの評価も良かったので、2月号でも再度特集し、翌年以降は定番企画となりました。入社2年目の私にこのようなチャンスをくれた会社に感謝していますし、この経験が大きな自信になりました」

 

営業のメンバーと、効果的な写真の使い方や原稿の書き方について、実例を見ながら話し合う。

 

■ 「送客を増やすために、何ができるか」を常に考え、きめ細やかな提案とフォローを実践

入社4年目、岡村さんは京都市内と大阪を担当することに。それまで経験のなかった客室数の多い大型ホテルを担当できることにワクワクした。ところが、街の中心地はインバウンド(訪日外国人)が好調で、出張で行く自分の宿も取れないほど。
「こうした高稼働地域は、平日の集客に苦労していませんでした。つまり、これまで培ってきた営業スタイルが通用しないということ。今までは宿に頼りにされ、提案したプランで予約が増えて感謝されることにやりがいを感じていたのに、ここでは必要性すら感じてもらえなかったのです」

 

新規の宿泊施設には取り合ってもらえず、既存の取引先を訪ねても「プランを作っても、部屋を出せない」と言われる始末。異動後の半年間は、岡村さんにとって“入社して一番つらい日々”だった。

 

とはいえ、部屋はなくても営業はしなければならない。「だったら、何とか提案する余地を探そう」と前向きに考えるようになり、ヒントを得たのは「外国人客は体格が大きいから、ダブルルームよりツインルームから予約が入る」というホテル担当者の言葉だった。ダブルルームの空室に提案の余地を見いだした岡村さんは、早速ダブルルームへの予約を促すプランを提案した。
「こうして提案の余地を探して営業を続けるうち、以前から付き合いのあるホテルから『困っていたときには助けてもらったのに、ごめんね。でも、この日程なら部屋があるよ、この部屋タイプならまだ余裕があるよ』と情報をもらえるようになったのです。数字に結びつかなくても、こまめに連絡をとってきたかいがありました。今は担当者とも仲良くなり、楽しく営業活動をしています」

 

「送客を増やすために、何ができるか」を常に考えてきた岡村さんが、高稼働地域を担当するようになって身につけたのは、“きめ細やかな提案とフォロー”という新たな営業スタイルだ。
「どこも部屋が足りない状態なので、1日、2日の料金提案が売り上げに影響します。だからこそ、頻繁に連絡を入れ、数日間でも空室があればすぐにプランを提案するなど、きめ細やかな対応を実践しています」

 

営業として、岡村さんが大切にしているのは、お客さまの視点を忘れないこと。両親や祖父母からシニアの意見を聞き、社内でシニア情報を共有して、プランや誌面づくりに生かしている。そしてもう1つは、担当者との緊密なコミュニケーションだ。
「この仕事は “人と人との信頼関係”で成り立っています。だからこそ、いつも相手を気にかけているという気持ちを行動で示すこと、約束したことは早めに実行することを心がけています」

 

岡村さんの目標は、入社2年目に携わったようなプロジェクトを、今度は自ら主体的に立ち上げること。
「日々の業務に追われがちですが、率先して新しいことに挑戦していくつもりです。また、当社はインターネットでの集客力がまだ弱いので、スマホを使いこなすシニア世代が増えていく近い将来に向けて、インターネット力を強化する業務にも興味があります」

 

担当する宿の予約状況とクチコミ情報は、毎日パソコンでチェック。デスクでは、新規のアポ取り電話をすることも多い。

 

■ 岡村さんのキャリアステップ

STEP1 2012年 新入社員研修で、営業同行出張やコールセンター実務を経験(入社1年目)

4月に入社し、同期3名で約1カ月間の新入社員研修に参加。ビジネスマナーやパワーポイントを使ってのプレゼンテーション、九州へ3日間の営業同行出張などを経験。2週間のコールセンター研修では、実際に電話を受け、予約を完了させるまでの工程を経験。プラン内容以外の観光情報などの質問にまごつくこともあったが、利用者が情報の細部にも目を通していることや気にするポイントがわかり、原稿制作時に「誌面にどんな情報を明記すべきか」を考える際に役立った。

STEP2 2012年 営業として、京都北部の遠方エリアの平日集客に携わる(入社1年目)

5月、営業1部近畿・北陸チームに配属。人見知りなので営業職に不安はあったが「その性格を変えたい」と覚悟を決めて臨んだ。担当したのは、カニがおいしい夕日ヶ浦温泉や、日本三景の天橋立で有名な宮津を中心とする京都北部。京都駅から車で3時間近くかかる場所だったので車の運転が必須だったが、免許を取得できたのは5月。取得後半年間は運転できない社内ルールがあったため、その間は、先輩や上司の運転で営業へ。産休に入った先輩から20軒を引き継ぎ、電話での新規アポイントや飛び込み訪問などで、徐々に取引先を増やしていった。

STEP3 2013年 プロジェクトリーダーをやり遂げ、仕事への自信をつける(入社2年目)

1年間でオンシーズンとオフシーズンをひと通り経験し、仕事にも慣れてきた2年目の春、ある宿の海鮮のおいいしさに着目し、「1人1舟盛付きプラン」を提案。担当者は舟盛を多数用意することに難色を示したが、結果的には予約が増え、自分の後任者にまで語り継がれるほど喜んでもらうことができた。2年目まではプラン単体のアイデアで勝負してきたが、3年目以降は、担当宿の施設と料理内容をマトリックス化して比較し、特徴と価格とのバランスを分析するなど、担当エリア全体を考えたプラン提案をするようになった。

STEP4 2015年 京都市内・大阪の高稼働地域での営業を担当(入社4年目)

4月、京都市内・大阪エリア40軒程度の担当となる。平日集客に苦労していない高稼働地域での営業に、半年間は苦しんだが、“人と人との信頼関係”を大切にし、新たな営業スタイルを確立。15年秋からは、大阪エリアの担当ははずれ、京都の約26軒を担当。雑誌の隔月発行サイクルに合わせ、営業先には東京からひと月で9日間程度出張し、翌月は東京で原稿制作に集中する。宿の予約は景気や天候に影響されるので、目標達成できないこともあるが、達成できない悔しさをバネに活動している。

■ ある日のスケジュール

7:30 自宅を出て、新横浜駅から新幹線に乗る。
9:30 京都駅に到着。1軒目の宿泊施設に電車で向かう。
10:00 以前から取引のある宿泊施設を訪問。直近の集客状況やクチコミなどについて情報交換。
11:30 新規でアポイントをとった宿泊施設を訪問。宿の課題について担当者にヒアリング。
13:00 移動途中、嵐山でランチを済ませる。
14:00 以前から取引のある宿泊施設を訪問。新しいプランについて打ち合わせる。
15:30 新規でアポイントをとった宿泊施設を訪問。電話で事前に聞いていた課題を踏まえ、プランを提案。
16:30 移動途中、パソコンで部屋の予約状況を確認。満室の宿泊施設に電話を入れ、増室を依頼する。
17:00 以前から取引のある宿泊施設を訪問。直近の集客状況やクチコミなどについて情報交換。
18:30 取引のある宿泊施設にチェックイン。部屋でメールを確認し、今日の訪問で話した内容をまとめる。
■ プライベート

子ども時代はバレエ、中学・高校時代はバトントワリング、大学ではストリートダンスに親しんできた。会社では2016年7月に設立されたダンス部に所属し、副部長を務める。写真は、初回の練習時。

 

16年7月、プライベートで九州を旅行。3泊4日で福岡、熊本、大分を巡ってきた。写真は、大分での地獄めぐり。「旅は好きですが、どうも仕事目線になってしまってくつろげません(笑)」。

 

中学・高校時代の友人たちとは、今も親しくしている。写真は、16年8月に行ったお台場にあるレストランのテラス席。「お酒と食事を楽しみながら、恋バナに花を咲かせました」。

 

 

取材・文/笠井貞子 撮影/刑部友康

最終更新:9月16日(金)10時0分

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