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<News Navi>「一つの四国」は実現するのか 官民躍起の「四国新幹線」構想〈サンデー毎日〉

mainichibooks.com 9月16日(金)12時0分配信

 ◇官民躍起の「四国新幹線」構想

「一つ(一県)ずつの四国」と、ともすれば一体性のなさが揶揄(やゆ)される四国。現在、地元4県や経済界が一体となって「四国新幹線構想」の実現に躍起になっている。

 四国は本州四島で唯一の"新幹線空白地帯"といわれ、取り残されまいとする焦りもあるようだ。四国の新幹線計画は、国が1973年に示した「基本計画」で、二つの路線が盛り込まれたことに遡る。以来、着工に進むための「整備計画」に格上げされないまま、半世紀近くがたった。

 ここに来て4県の鼻息が荒くなったのは、北海道や北陸、九州といった整備新幹線にメドがついたことが大きい。国は毎年、新幹線整備のための建設費用を積み立てており、その"空き"を狙って名乗りを上げたというわけだ。

 国が3月に示した四国の長期開発計画に「検討課題」として初めて取り上げられ、推進機運に拍車がかかった。5月には計画推進のロゴマーク=写真=を決定。6月には政府・与党に、整備計画への格上げに必要な調査費計上を求める要望書を出した。

 構想は岡山から瀬戸大橋を渡り、高松・徳島、高知、松山の3方向に分かれるルート。4県や経済界の調査では、事業費は総額1・6兆円、経済効果は年169億円に上る。

 とはいえ、8月初めには石井啓一国土交通相が早々と四国新幹線向けの調査費予算化に消極姿勢を示した。さらに、「次」の整備計画化を狙っているのは四国に限らず、安倍首相も加わる推進議連が発足した「山陰新幹線」、山形県知事が公約に掲げる「奥羽新幹線」などライバルは多い。

 整備新幹線に詳しい青森大学の櫛引素夫教授は「公平性の観点からは『あって当然』との見方はできる。ただ、4県の利害は必ずしも一致せず、各県で恩恵を被る地域が偏る可能性もある。住民が納得できる将来像や利点をいかに打ち出すかがカギ」と指摘する。

 新幹線は四国を一つにまとめ上げられるか。(池田正史)

最終更新:9月16日(金)12時0分

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