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数十億匹のガガンボが大発生か、Xデーの予測は困難、英国

ナショナル ジオグラフィック日本版 9/16(金) 7:20配信

異例の多雨が幼虫に有利に

 英国はもうすぐ昆虫による侵略に直面するかもしれない。蚊を大きくしたような昆虫ガガンボの、数十億にもおよぶ大発生だ。

まるで夏の吹雪、スペインのカゲロウの大群

 このガガンボの一種(Tipula paludosa)は体長約1.3センチほどで、細長い足がツルを連想させることから、英名は「ツル(crane) fly」、または「あしながおじさん(Daddy long-legs)」とも呼ばれている(米国であしながおじさんといえばザトウムシを指す)。毎年秋になると大量に発生するが、2015年から2016年初めにかけて特に雨が多かったため、土の中でガガンボの幼虫が大量に育ち、秋に一気に地上へ出てくるのではないかといわれているのだ。しかも、9月の暖かい陽気のおかげで、これまでのガガンボの北限を一気に押し広げるかもしれない。

 しかし、人間へ直接的な害があるわけではない。外見は蚊に似ているが、人を刺すことはない。

 成虫になったガガンボの恋愛生活はめまぐるしい。8月中旬から9月中旬にかけて土の中から地上へ出てくると、1日のうちに交尾しておよそ300個の卵を草むらに産み付ける。

 ふ化したこの幼虫は体が厚い皮膚に覆われていることから、英語で「レザージャケット」と呼ばれている。土のなかで植物を食べながら過ごし、翌年の春を越すとさなぎになり、その後成虫になる。

 幼虫が芝草や穀物の根を食べてしまうため、昔から農作物の害虫とされてきた。米ニューヨーク侵入生物情報データベースは、ゴルフ場の芝に害を与えるとして、Tipula paludosaを米国とカナダへの侵略的外来種に指定している。

渡ったのはおよそ9000年前

 英国では、農薬を使用したり土壌の水はけを改善するなどした結果、農作物への被害はだいぶ軽減されたが、毎年のように大量発生する成虫はやはり不快だと思う人もいれば、自然の驚異だと感心する人もいる。

「大挙してあらわれた成虫が、風に吹かれて建物の壁などに張り付いてしまった姿はなかなかの見ものです」と語るのはジョン・クレイマー氏だ。全英ガガンボ記録計画の主宰者の1人で、ガガンボやハエなどの双翅目を対象とする学会「ザ・ディプテリスト・フォーラム」の会員でもある。

 ガガンボは、最終氷期が終わったあとのおよそ9000年前、まだ英国とヨーロッパ大陸が陸続きだった頃に、大陸北西部から英国へ渡ってきてすみついた。 現在はT. paludosaを含む326種のガガンボが生息している。

 クレイマー氏によると、ガガンボの幼虫は湿った土の中でよく成長する。そして、2016年の英国は特に雨が多かったため、例年よりもはるかに大量のガガンボが発生すると予測されている。

 英国気象庁によると、2015年12月は、1910年以降国内で最も降水量の多い月となった。さらに、今年に入ってからも1月、2月、4月、6月、7月の降水量が1981~2010年の平均を上回っていた。イングランドとウェールズの一部地域では、普段の2倍以上の降水量を複数回記録した。

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最終更新:9/16(金) 7:20

ナショナル ジオグラフィック日本版

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