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あれから2か月、英国のEU離脱は本当に「愚か」だったのか?

PHP Online 衆知(THE21) 9月16日(金)21時10分配信

イギリスは「成り行き任せ」のほうがうまくいく?

イギリスのEU離脱という「事件」から2か月が経とうとしている。だが、あれほど騒がれたわりには、最近はニュースを聞くことも少なくなっている。これは嵐の前の静けさなのか、それとも、実は騒がれているほどの問題ではなかったということなのか……。
グローバル経済に精通するとともに、「イギリス人の国民性」を知り尽くす同志社大学教授の浜矩子氏に、「イギリスのEU離脱の今」を解説していただいた。

離脱を後悔しているのは「にわか型の離脱派」?

イギリスのEU離脱という「事件」から2か月が経とうとしている。だが、あれほど騒がれた危機はいつのまにかあまり聞かれなくなっている。いったい、あの騒ぎは何だったのだろうか。

「メディアの取り上げ方によるところが大きかったと思います。イギリスが世界から孤立するような報道がなされたり、企業がすぐにでも国外に脱出すると不安を煽ったり。ただ、国民投票直後に急落したポンドも弱含みながら様子見相場となり、株価はずっと堅調に推移しています。離脱反対派の声がさらに高まっているということも聞かない。一方で、孫正義氏のソフトバンクグループがイギリスの半導体大手ARMを買収するなど、外資の進出すら起こっている。
不動産価格が下落しているなどのマイナスもありますが、今のところ離脱反対派も『本当に問題だったのかな?』という戸惑い状態ではないでしょうか」

国民投票直後には、離脱という結果に離脱派自身が後悔している様子も報道された。

「それもごく一面的な報道です。離脱派が総ざんげ状態になったわけではない。『しまった』組は、移民によって生活が脅かされているなどという確信犯的右翼の扇動によって、パニック的に離脱に投票してしまった人々。いわば『にわか型』離脱派で、憑き物が落ちたような感じになっているのでしょう。
一方、『にわか型』ではない離脱派は、同時に『良識的離脱派』でもあります。彼らには、イギリスは本来、開放性と成り行き任せを是とする海洋国家だという感覚がある。それに対して、EUの中では、囲い込み型で計画主義の大陸欧州勢が大勢を占めている。そんなEUとは、それなりの距離感を持って付き合うべきだ。これが、『従来型良識的離脱派』の考え方です。
どちらかといえば、インテリ層にこのタイプが多い。そういう人が多数いることがイギリスの面白さではあるのですが、彼らは、テレビなどに取り上げられることがあまりありません」

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最終更新:9月16日(金)21時10分

PHP Online 衆知(THE21)

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