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五輪3連覇の金メダリストが語る競技選択の裏側「だから自分で決断を下せた」

THE ANSWER 9/16(金) 14:24配信

五輪3連覇の偉業、野村忠宏さんはなぜ柔道を選んだのか

 伝説の金メダリストも、幼少の頃は様々なスポーツに取り組んでいた――。1996年アトランタ五輪、2000年シドニー五輪、2004年アテネ五輪と3大会連続金メダル獲得の偉業を成し遂げた柔道家・野村忠宏さん。幼少期から様々なスポーツを取り組んできた野村さんが、最終的に柔道を選んだ理由とは何だったのだろうか。

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 野村さんは8月31日、大塚製薬株式会社が取り組む「ポカリスエット エールと、ともに。 ブカツ応援キャラバン」の一環で、神奈川県の桐蔭学園高等学校を訪れた。全校生徒を対象とした講演会を行い、男女柔道部員31人に対しては直接指導も実施。リオデジャネイロ五輪が閉幕して間もないタイミングということもあり、講演会には五輪3連覇を果たした金メダリストの話を聞こうと約1000人もの生徒が詰めかけた。野村さんは「普段触れ合う機会のない高校生たちを指導させてもらうのは貴重な機会です」と充実した表情を浮かべた。

 五輪3連覇までのプロセスなどを語る中で、子どもたちにどのような競技や習い事をさせるべきか悩む保護者への金言となるようなテーマも数多く含まれていた。例えば、野村さん自身が幼少期に取り組んでいたスポーツについての話だ。

 野村さんの実家には祖父・彦忠さんが開いた柔道道場があった。「その環境、血を受け継いで3歳から柔道を始めました」。それでも子供の頃から柔道だけしか見ていたわけではないという。

「父親の考えもあったのでしょうが、小学校の頃は週3回の柔道に加えて週2回のスイミングスクール、またクラブ活動でサッカー、少年団では野球にも取り組んでいました。学習塾や公文にも通っていて、スポーツも勉強も全力でやっていましたね。今思えば、色々なことにチャレンジさせてもらっていました」

原点にあった祖父の指導方針

 そんな野村さんだが、様々なスポーツに触れた上で中学からは競技としての柔道に取り組むことを自ら決意した。なぜ多くの選択肢の中から柔道を選んだのか。

「子供なりに『自分が何に一番向いているか?』と考えながら、タイムスポーツの水泳やチームスポーツの野球、サッカーもやっていました。その中で柔道が一番自分の中で真剣に取り組めると考えたんです。だから、中学校からは柔道一本に絞って、楽しいだけでなく強くなるために頑張ろう、そう自分から決断を下せたのだと思います。

 そして私にとって何より良かったことは、祖父が『まずは礼儀作法を学びつつ、柔道を楽しんでほしい』という指導方針をもっていたということです。柔道を好きになってくれれば、目標を持って自然と努力し続けてくれるはず、という“柔道愛”に満ちた考えからだったんです。なので、小学生の頃は厳しい練習を強要されることはなかったですね」

 自ら率先して練習に励むような環境が整えば、自然と目標に向かい上達する――。それには子供たちが“楽しんで”打ち込める何かを見つけることも重要な要素となることが、野村さんの話から分かる。

 厳しい競争に打ち勝っていくには早い時期から一つの競技に絞り、専門的なトレーニングや知識を詰め込んでいくことも必要なのかもしれないが、野村さんの経験談を踏まえると、子どもたちが夢中になれそうなことを考え、選択肢を増やしてあげることも大切なのかもしれない。

茂野聡士●文 text by Satoshi Shigeno

最終更新:9/21(水) 14:29

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