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19世紀に消えた北極探検船テラー号ついに発見、大部分が無傷

ナショナル ジオグラフィック日本版 9月16日(金)18時1分配信

“世紀の大惨事”フランクリン隊のもう1隻、謎解明に一歩前進

 ジョア・ヘブンというイヌイットの集落が、カナダ北極圏史上最大ともいえる歴史的発見を祝っている。この村のイヌイットのハンターによる情報から、168年前に行方がわからなくなっていた英国フランクリン探検隊の船、H.M.S.テラー号が発見されたのだ。実際に発見したのは、カナダ北極圏の科学研究活動を支援する北極研究財団(Arctic Research Foundation)という非営利団体の探検家たちだ。

良好な状態がわかる別の写真

 この探検船の最期をずっと調べてきた研究者たちにとって、これは大きな発見だ。「何度もハイタッチをしたり、抱き合って喜んだりしました」と話すのは、財団のCEOで今回の調査の指揮を執るアドリアン・シムノウスキー氏だ。「大いに調査に協力してくれたイヌイットの人々とこの発見をよろこびあっているところです」

 テラー号を率いていたのは、19世紀の英国海軍の英雄であり、北極探検家だったサー・ジョン・フランクリンだ。フランクリンは、129名の乗組員とH.M.S.エレバス号、H.M.S.テラー号という当時最新鋭の2隻の船を率いて1845年に英国を出発した。どちらの船も船首は鉄で保護されており、客室には暖房が、図書室にはチャールズ・ディケンズの小説があり、3年分の食料も積まれていた。探検の目的は、ヨーロッパから北極海を経由して太平洋に至る北西航路を発見し、その海図を作成することだった。少なくとも机上においては、北極で待ち構えているあらゆる困難に耐えられる準備ができているはずだった。

 しかし、1847年6月、計画にほころびが生じ始める。おそらく心臓の疾患が原因でフランクリンが死に、ほかにも23名の乗組員が死んだ。10カ月後、後任の隊長となっていたフランシス・クロージャーは重大な決断を下す。キング・ウィリアム島の石の塚に残されていた記録によると、氷に閉じこめられて身動きが取れなくなった2隻の船を放棄し、カナダ本土にある交易所に向かうことにした。しかし、誰一人としてそこにたどり着くことはできず、以来フランクリン隊がどうなったのかは謎のままだ。

 2年前、カナダの国立公園を管理するパークス・カナダの考古学者たちがキング・ウィリアム島の南、水深11メートルほどの場所に沈んでいたエレバス号を発見した。その後、エレバス号の残骸をもとに、カナダの海軍や沿岸警備隊、北極研究財団の協力のもと、テラー号の捜索が行われていた。

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最終更新:9月16日(金)18時1分

ナショナル ジオグラフィック日本版

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