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20代の社員がホラを吹こうとする理由

@DIME 9月16日(金)11時30分配信

 20代前半で会社に入り、キャリアも浅いうちに、ホラを吹く人たちがいる。たとえば、「上司から『君は優秀だ』と言われた」などといった言葉だ。私が会社員の頃や取材先などの会社、労働組合などでよく耳にしたことがある、特徴的なものを紹介しよう。ホラを吹く理由や心理も分析をしてみた。また、20代の社員がホラをあえて吹く理由を、コラムの最後にまとめてみた。実は、これは会社の人事制度などと深い関係があると私は考えている。

■「君じゃ、無理だよ」

 自信がないからこそ、こういう言葉を口にする。私が20代の頃、同期などがよく使っていた言葉だ。本音のところは、「俺なら、そんなことを簡単にできる」とでも言いたいのだろう。「こんなにすごいんだぞ!」と知らせしめて、みんなに高く評価してもらいはずなのだ。ところが、周りは誰も言ってくれない。それもそのはずで、入社したばかりであり、仕事も会社のこともほとんどわかっていない。それでも、背伸びをしたい。大きく見せたい。そんな時、同期などに「君じゃ、無理だよ」と語ることで、虚勢を張ろうとする。つまりは自信のなさの表われなのだ。

■「やはりな」

 これも、いかにも知ったかぶりで口にする言葉だ。「やはりな…」。あたかも、はじめからそのような結果が出ることをわかっていたかのように話す。たとえば、「やはりな…。それは、タイミングがよくないよ」「やはりな…。無理をしたからだ」。これもまた、大きく見せようとしているだけのこと。実は、自信がないのだ。20代の頃は、「やはり」といえるほど、仕事の勘所をつかむことができていない。単純作業や難易度の低い仕事ならばともかく、レベルの高い仕事をきちんと理解しているとはいいがたい。それでも、「やはり…」と口にするのは、自分のことを優秀だと思わせたいからだ。

■「進歩がないね」

 先輩や上司のマネをしたいから出る言葉。「俺はわかっているぞ」「お前よりも前を進んでいる」とでも言いたいのだろう。私が20代の頃にも、こんなことを口にする同世代がいた。実際は、20代の時点で仕事のレベルに大きな差が生まれる可能性は低い。営業成績などで一時期的に差がついたとしても、それは上司や先輩の支援、お客さんとの相性、担当する地域や会社などによるものでもある。本人の力だけによるもの、とは言いがたい。「俺の力だけで契約をとった」とは言えないから、「進歩がないね」と上から目線で同期生などに語ることで優秀さを印象づけたい。これも、自信がないからだ。

■「君は向いていないよ」

 その仕事を自分自身が好きになれない。あるいは、自信をまだ持つことができない。そんなときに口にするのが、「君はこの仕事に向いていないよ」だ。相手に言っているようでいて、実は自分に言っている。迷いの中にいる自分に何かを言わんとしているのだろう。この言葉も、私が取材先などでよく耳にする言葉だ。そもそも、20代の人は、同期生などに「向いている」とか、「向いていない」といえるほどの判断力がない。経験や場数が圧倒的に足りないのだ。わざわざ、こんな言葉を発するのは、自信のなさの表れ、といえる。「向いている」かどうかは、上司や役員らが判断する。20代の非管理職が、口にするべきことではない。

■「『君は優秀だね』と言われた」

 上司や先輩などから「優秀」と言われたことをあえて同期生などの前で語る。大きく見せたいのだ。実は、上司や先輩などは誰にでもそのようなことを言っている可能性がある。その人だけに言ったとしても、やる気を引き出そうとしたりしているのであり、それ以上の意味はないだろう。「優秀」であったとしてもその仕事についてであり、ほかの仕事のことまでは言っていない。20代のこの時点で、本当に「優秀」と言い切れるかどうかは、誰もがわからない。それでも「君は優秀だ、と言われた」と口にするのは、自信がないからだ。

 20代にしろ、その上の世代にしろ、誰もが程度の違いはあれ、自分を大きく見せようとするものである。ホラを吹いたり、嘘をついたりすることもあるだろう。問題は、20代のときになぜ、こういうホラを吹くのかである。その大きな理由は、同期生などとの間に差がつかないからだ。実は、多少の差はあるのだろうが、それが給料などにはまだ、あらわれていない。

 本来は、20代前半の頃からその働きや実績などに応じて差を設けるべきなのではないだろうか。20代後半の課長がいたとしても、いいのではないだろうか。せめて賞与の時には、一定の差をもうけるべきだと思う。正直者がバカを見ないようにしないと、人の成長も会社の発展もない。

文/吉田典史

@DIME編集部

最終更新:9月16日(金)11時30分

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