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【月報・青学陸上部】「箱根」のメンバーに入ってきそうな1年生は?

webスポルティーバ 9月16日(金)14時50分配信

極私的! 月報・青学陸上部 第7回

 岐阜県御嶽での夏季選抜合宿――。

「はぁはぁ」
 
 クロスカントリー30kmを走る選手たちの息づかいが聞こえてくる。残り2、3kmになると苦しそうな表情を浮かべる選手、表情を変えずに淡々と走る選手に分かれ、走りに違いが出てくる。両者が混在する中、先輩たちに負けず、快走する1年生がいた。

【写真】クロカンコースを疾走する選手たち

「鈴木と吉田はいいよね」

 原晋監督は満足そうな笑顔を見せる。

 今年は春先から、「元気があって生命力のある1年生が多い。下田裕太ら今の3年生が1年生のときのような感じがするね」と原監督は1年生を高く評価していた。その期待通り、入学後わずか5カ月でぐっと伸びてきたのが1年生の吉田祐也と鈴木塁人(たかと)だ。ふたりは1次合宿を経て、選抜メンバー21名に入り、御嶽の選抜合宿に参加。すでに原監督から箱根駅伝での区間も提示されており、本番での走りも期待されている。

「吉田は特に目立った成績はないけど、春先からいい練習が積めているし、山登りのタイムもよかったからね。感じるものがあって選抜に入れたんですよ」

 原監督は吉田についてそういった。

 吉田が自らの評価を高め、原監督にその存在を強く印象づけたのが1次合宿、菅平トライアルだった。21kmの距離走で上りが5km程度あった。そこで選手が振り落とされ、山の適性がわかるのだが、そのときにしっかりとした走りを見せたのが吉田だった。

「そのときは、そんなに上りがきつい感じじゃなく、もうちょいイケるって感じで調子がよかったんです。もともと山は苦手ではないですし、誰にも負けたくないと思っていたので最後まで走り切りました。そうしたら練習後、監督に『おまえは山候補だ』って言っていただいたんです」

 原監督の見立ては5区。

 吉田はもちろん箱根を目指して青学に入ってきたのだろうが、原監督に言われるまでは何区を考えていたのだろうか。

「もともと8区か5区かなと考えていました。ただ5区は本当に自分に適性があるのかどうか半信半疑だったんです。でも、8月の合宿で山を走ってみると思った以上に走れましたし、監督からの言葉もあり、今は5区を目指すことで気持ちが固まりました。5区は距離が短くなった(23.2km→20.8km)ので、1年生でもなんとか走れる距離ですし、チャンスなので絶対に走りたいです」

 吉田は163cm、46kgと小柄なサイズだが、山登りにはそのコンパクトなサイズが生きてくる。高速勝負ではなく、低速トルクでグイグイと登るには軽いサイズの方がベターだ。また、三代目山の神・神野大地と同じサイズであることも吉田の“山”への気持ちを一層駆り立てている。

「神野さんと体型が似ているとよく言われます(笑)。ほぼ一緒なら自分も山を走れると思いますし、実際、自分の強みは体重が軽いこと。体が小さい分、エネルギーのロスが少ないので持久力があります」

 夏季合宿を順調に終えて、原監督から5区の指名を受けた。4月から怖いくらいに順調にきているが、それには大きなキッカケがあったという。

「入学してしばらくは先輩について練習していたんですけど、5月ごろに監督に『このチームに所属しているだけで、強くなった気でいたらダメだ』って言われたんです。そのとき、先輩方は自分でアクションを起こしているから強いんだ。自分も考えを変えて箱根に出るためにアクションを起こさないといけないって、思ったんです。それからはジョグでも先輩に合わせるのではなく自分のペースで走り、距離を指定された場合は早いペースで走るとか、自分で考えて練習しています」

 充実した練習をこなした分、体のケアには十分に時間をかけている。過去に痛い経験があり、これまで順調なだけに「落とし穴」には細心の注意を払っているのだ。

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最終更新:9月16日(金)23時20分

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