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【恩田社長の600日】クラブライセンス制度がFC岐阜に残したもの

webスポルティーバ 9月16日(金)19時30分配信

FC岐阜・恩田社長の600日 ~Jリーグ地域クラブへの伝言~

 第9回 『クラブライセンス制度』は何を成しえたか

 Jリーグには、クラブライセンス制度というものがあります。いわゆるJリーグに加盟するための免許です。ライセンス交付を受けるためには、さまざまな要件をクリアしなければいけません。その内容は、練習環境、スタジアムの観戦環境といった設備面のものと、財務状態や組織の状態といった経営面のものがあります。それぞれの項目別にクラブに求められる要件は仔細に定められており、要件の厳しさにより、「J1ライセンス」と「J2ライセンス」に分けられます。

【写真】2014年、就任会見をする恩田聖敬社長

 FC岐阜は、私が社長に就任した当時、J2ライセンスしか保有していませんでした。つまり、J1の免許はなく、仮にJ2リーグで優勝してもJ1には昇格できないということです。2014年シーズンにJ2で5位に入ったギラヴァンツ北九州が、J1ライセンスを保有していなかったため、昇格プレーオフに出場できなかったのは、記憶に新しい話です。

 FC岐阜は、私が社長に就任する以前までは、J1ライセンスどころの話ではなく、毎年のように最下位争いを演じ、資金難から会社そのものが存続できるかどうかまで追い詰められていました。ライセンスの財務基準には「債務超過」「3期連続の赤字」の、いずれにも該当しないことがライセンス交付の条件とされています。この条件はJ2ライセンスでも同様に求められます。

 この財務基準の設定により、赤字を親会社の広告費として処理していたクラブや、地方都市で何とか資金繰りを回していたクラブは、自分の足で立つことを求められます。それぞれのクラブが独自の財務手当てを行ない、結果、ライセンスの経過措置が終わる2014年シーズン末には、すべてのクラブが財務基準をクリアしました。これはライセンス制度の大きな成果だと思います。

 では、FC岐阜はどうやって危機を脱したのでしょうか? 第3回にも書きましたが、すべては現FC岐阜の筆頭株主である藤澤信義氏の善意から始まりました。

 2012年の暮れにヤフーニュースでFC岐阜の存亡の危機を知った藤澤は、クラブに1億5000万円の寄付を申し入れます。ふるさと「ぎふ」への恩返しの気持ちからの行動でした。2013年シーズンに寄付は実行されて、この特別利益により、2013年の決算は黒字となり、連続の赤字をストップしますが、依然として1億円近い債務超過が続きます。2014年の決算で債務超過を解消できなければ、ライセンス交付は受けられない状況でした。

 債務超過の解消には地元金融機関にご協力いただき、1億円以上あった負債を整理しました。地元ぎふの協力体制を見届けた藤澤は未来への資金として、2億4000万円の増資を実施しました。これにより、債務超過は解消し、ライセンスの財務基準はすべてクリアします。

 一方で、2014年は過去最高のチーム人件費を投下したため、再び赤字に転落し、3期連続の赤字にリーチをかけないために、2015年を黒字にすることは、経営上の必達目標でした。

 そこで、2015年シーズンを迎えるにあたって、「売上10億、スポンサー料5億」の大風呂敷を広げました。2013年と比べて約2倍の数字です。ここでは詳しく書きませんが、スタッフの努力・後援会のご協力・スポンサーのご理解のおかげで、何とか黒字を達成しました。

 以上が財務面についてのお話です。一方で、設備面はどうでしょう?

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最終更新:9月16日(金)19時30分

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