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国家意識のない蓮舫代表は危険だ --- 石井 孝明

アゴラ 9月16日(金)17時32分配信

日本の民進党の党首に15日、日本と中華民国の二重国籍を持つ蓮舫氏が就任した。彼女をめぐる国籍問題は深刻な様相になった。違法な二重国籍を放置し、国籍の管理さえできず、それをめぐって嘘を平気でつき続けた蓮舫氏が、野党第一党の党首になったのだ。アゴラでの報道を見れば、蓮舫氏の一連の発言の多くは「嘘」と描写していいだろう。

問題の異様さを考えるため、台湾の人々の国をめぐるアイデンティティの複雑さを示す、日本の絡んだ、2つのエピソードをまず紹介してみたい。

戦争の時代、若者を苦しめた国籍の重み

岩田政男という台湾出身の京都帝大出の陸軍大尉が、旧日本帝国陸軍にいた。高射砲部隊に配属され東京の防空戦に参加した。兄は海軍の兵士としてフィリピンで戦死した。物静かで本ばかり読んでいたが人望があった。日本の敗戦後、台湾は戦勝国の中華民国に編入され、突如台湾省ができた。日本内地にいた台湾出身の将兵は日本人から中国人になった。彼らは動揺したが、岩田大尉の下にまとまり、彼が交渉して除隊し、民国政府が派遣した船で、台湾に帰れた。

台湾の港で進駐してきた民国軍の将兵がいた。みすぼらしく雑然とし、整然とした日本軍と雲泥の差があったという。台湾人の元日本軍将兵は、軽蔑の言葉を口にして、騒然となった。そのとき本を読んでいた岩田氏が立ち上がり「諸君、抗戦8年の苦難を経験した同胞に敬意を示すべきだ」と静かに諭した。将兵たちは、静かになったという。(「台湾海峡1949」(白水社、龍応台)より。このルポは何十人もの台湾の人の祖国をめぐる葛藤を聞き取り、描いた名作だと思う。)

この岩田氏は、李登輝元台湾総統(1923-)の若き日の姿だ。意外に思うかもしれない。李氏は行動が親日的で、その教養の根幹が日本にあるとの印象があるためだ。彼は決して無条件に日本を賛美する人ではいない。李氏は中国人としての意識をしっかり持つこと、そして若いころからバランス感覚と常識を持つ人物であることを、このエピソードは示すだろう。李氏は政治的自由が制限された台湾で農業学者としての経歴を歩むが、日本や米国への亡命、移住はしなかった。

もう一人、台湾人作家の邱永漢氏(1923-2012)がいる。日本で教育を受け東京帝大経済学部の助手だったが、敗戦後に台湾に帰国。ところが中国国民党が政治活動を弾圧する2・28事件(1948)に巻きこまれ、命からがら逃げ出した。日本では作家として活動。さらに日台で事業を行った。

「お金儲けは正しい」と、1960年代から各地で講演。その彼の発言は目立ち人気を集めた。彼のしたたかなのは、どんな講演でも、文書でも、日本人の前で日本をほめ称え続けたことだ。「なんで日本人は自国の悪口を言うのでしょう。命からがら逃げてきた私にとって、日本は天国でした」とテレビで言っていたことを覚えている。また台湾が1980年代、言論の自由を回復した後も、自分を弾圧し、怨みがあると思われる台湾政府への批判もしなかった。彼はビジネスで大成功したが、敵を作らなかったのがその理由の一つだろう。

けれども、面白いニュースがあった。亡くなった後で邱氏と遺族は20億円の遺産の申告漏れを日本の国税当局に指摘された。言い方によっては「脱税」だ。日本、台湾、香港に資産を分散して隠していた。金額の多さからみると生前から準備していたのだろう。彼は日本のことは愛していたが、日本政府に金を払う意思はなかった。

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最終更新:9月16日(金)17時32分

アゴラ

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