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社会の「息苦しさ」を振り払いたければ、憲法を知ることが力になる 希望はココにある

現代ビジネス 9月16日(金)11時1分配信

 憲法なんて堅苦しくて自分とは関係ない……なんて思っていませんか? そんなことないんです! 

 気鋭の憲法学者・木村草太さんが、憲法の歴史・理念を分かりやすく解説し、選択的夫婦別姓問題や、地方自治など、現実の社会問題に対して憲法をどのように使い活かすのかを語った新著『憲法という希望』より、その巻頭言を特別公開! 

社会の息苦しさを払拭するには?

 日本国内でも国際社会でも、いやな事件が続いている。「近頃、社会の空気が重たくなってきた」と感じている人も多いのではないか。この息苦しさを、どうすれば払拭できるのだろうか。

 まず思いつくのは、趣味に没頭して気分転換することだ。スポーツを見ながら、ひいきのチームを力いっぱい応援する。コンサートで音の波に流される。子どもと公園で走り回る。レゴで街を作る。好きなことなら何でもよい。

 私の場合は、将棋の棋譜を並べる。『羽生VS森内百番指し』(毎日コミュニケーションズ、2011年)から一局ずつ、新しいものから順に並べていく。プロ棋士の考える深淵には程遠くても、素人なりに「そうか!」と感動することがある。そして、わからないなりに一生懸命に棋譜を並べた後は、頭もすっきりする。

 こうした気分転換は、息苦しさを忘れることを目指すもの、言わば消極的な手段だ。息苦しさを払拭するには、その原因を突き止めて解決への道を探るという積極的な方法もある。

 もちろん、自分一人で社会の空気を変えることなど、できるはずもない。

 しかし、息苦しさの原因は、多くの場合は先が見えないことへの不安感だ。原因と目指すべき道がはっきり見えれば、その不安を飼いならすことができる。仲間を見つけて、大きな流れを作ることもできるかもしれない。

憲法に託された先人たちの知恵

 では、どうすれば原因を突き止め、進むべき道を見つけることができるのか。それは、学問に触れることだろう。

 学問とは、人類の歴史の積み重ねだ。時代は変わっても、人間が陥りやすい失敗には、共通する要素が多々ある。学問をすることで、先人たちの知恵に触れることができる。

 私が専門とするのは、法学、その中でも憲法学だ。

 法律家というと、世間一般では「頭が固くて融通が利かない人の集まり」といった印象を持たれているように思う。みんなで楽しく新しいことを始めようとしているときに、「それはやってはいけません」とつまらないケチをつける人のイメージだ。

 しかし、法律は、過去のさまざまなトラブルの経験から、そうしたトラブルが発生しないようにし、よりよい解決を導くにはどうしたらいいか、ということを徹底的に考えて作られている。法律に従わなければ、過去の失敗を繰り返すことになるだろう。

 さまざまな法律がある中で、憲法は、国家の失敗を防ぐための法律だ。

 社会に息苦しさが蔓延しているとすれば、それは国家が何らかの失敗をしているということであり、その解決の道筋は、憲法に示されている可能性が高い。今こそ、憲法に託された先人たちの知恵に学ぶべきだろう。

 優れた棋譜と同じで、憲法を読んだからといって先人たちの叡智のすべてを理解できるわけではない。しかし、困ったときに改めて一生懸命に読んでみると、見慣れたはずの条文から、「そうか!」という新たな発見があるものだ。

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最終更新:9月16日(金)11時1分

現代ビジネス

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