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クックパッドの時代に「ふしぎなケーキ」のレシピ本が売れている理由 担当編集者が明かすヒットの仕掛け

現代ビジネス 9月16日(金)10時1分配信

 クックパッドで検索すれば誰もが簡単にレシピにたどり着ける昨今、料理本をわざわざ買う人など少数派に思える。

 しかし、実は違うのだ。2016年度料理レシピ本大賞(お菓子部門)受賞作、荻田尚子著『魔法のケーキ』(主婦と生活社)は、お菓子の本としては異例の10万部という大ヒットを記録している。

 基本の材料は卵、小麦粉、バター、牛乳、砂糖だが、ある混ぜ方で焼くと、ふわふわのスポンジ層、トロトロのクリーム層、もちもちのフラン(プリン)層の3つの層に分かれるというユニークなケーキ。

 もともとはフランスで話題になったこのケーキを日本で流行らせた編集者、小田真一氏にヒットの秘密を聞いた。

料理は「視覚優位」じゃないと受けない

 ――『魔法のケーキ』は、編集者である小田さんの企画で、菓子研究家の方にレシピ制作を依頼して成立した本だとうかがっていますが、こういうことはよくあることなのですか? 
 レシピ本の作られ方は大きく分けると2つあります。1つは作家性の強い料理家の方々がそのまま自分の表現したいことをベースにつくるやり方。もう1つは編集者が企画を立てて、企画にあう料理家の方にお願いして本づくりをする、雑誌の料理ページの作り方に近いやり方です。この本は後者の形でつくりました。

 きっかけは2014年の秋、フランスのアマゾンを見ていたら、ランキングで『魔法のケーキ』の原型であるGateau Magiqueの本がいくつもランクインしていたんです。それで、取り寄せてみて試作してみたらこれはいけそうだと。

 ――美味しかったんですか? 
 美味しかったんですよ。しかも、レシピもそんなに難しくない。

 いま、お菓子レシピ本の主流は「焼きっぱなし」のケーキなんです。焼きっぱなしというのは、生地を作ったらあとは焼くだけというレシピのことです。

 昔は華やかなデコレーションがあるショートケーキのようなケーキが表紙の本が多かったんですが、今の人たちはスポンジを焼いて、切って、間にクリームとイチゴをはさんで、また全体にクリームを塗ってデコレーションする、みたいなことをなかなかやらないんです。

 この魔法のケーキは、できあがりは三層で手が込んでいるように見えるんですが、レシピ自体は材料を混ぜて焼くだけなので、「焼きっぱなし」と同じくらい簡単なんです。その点でも行ける、と思いましたね。

 さらに、今はインスタグラムの隆盛によって、受ける料理が視覚優位なものになりました。美味しくても茶色い地味な料理って写真映えしないから流行らないんですよ。そういう意味でも焼くだけで3つの層に分かれるケーキは、インスタ映えもばっちりですからね。

 フランスでも最初はネットでバズっていたわけだし、みんな作ってみたくなるはずだと思いました。

 ――フランスのネットはよく見ているんですか? 
 見てますね。料理本の出版点数が多いのはフランスと日本だと思います。フランス人の嗜好は日本人のそれと重なるところもあるので、頻繁にチェックしています。

 ただ、フランスのGateau Magiqueのレシピをそのまま出したわけではないんです。レシピには著作権という考え方はないので、そのまま使っても法的な問題は生じませんが、レシピとしては日本人向けに改良する必要があった。日本のキッチンのサイズなんかも考える必要がありました。

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最終更新:9月16日(金)10時1分

現代ビジネス

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