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妻が「めまい」で救急搬送!その症状は危険か否か

ダイヤモンド・オンライン 9月16日(金)6時0分配信

● 早朝に突然襲っためまい 吐き気と動悸も1時間以上続いた

 足首をもたれて、ぶんぶん振りまわれているような遠心力を感じた。

 驚いて目を覚ますと、天井がぐるぐると回っており、目を開けていられない。めまいだった。

  (宇宙飛行士の訓練はこんな感じかもしれない)

 ちらっと見た枕元の時計の針は、5時10分を指していたと思う。

 それからおよそ1時間。妙子さん(49歳・仮名)は、ひたすら耐え続けた。

 当初はすぐに収まるものと期待していたが、甘かった。冷や汗が、頭から水をかぶったように全身を濡らしている。吐き気がこみあげてくるが、横を向くこともできない。

 高校生の娘は今日、進級のための重大なテストがある。心配させたくない。

  (だからあと少し。あの子が出かけて、それでもめまいがおさまらなかったら救急車を呼んでもらおう)

 妙子さんのピンチにも気づかず、隣でいびきをかいて寝入っている夫・正臣さん(57歳・仮名)を頼るしかないのが心細い。

 「行ってきまぁ~す」

 早起きし、1人で朝食を済ませた娘が出て行くとすぐ、正臣さんに声をかけた。

 「めまいが酷いの、動悸と吐き気もする。もう1時間以上続いているの。救急車を呼んで」

 救急車が到着するまでの間に、保険証、財布、スマホ、スニーカーをバッグに詰めてくれるよう正臣さんに頼み、妙子さんは脳溢血等にも対応できる脳神経外科のある総合病院に搬送された。

 「病院まで同行されますか」

 妙子さんをタンカに載せて玄関を出る際、救急隊員は正臣さんに尋ねた。

 「いえ、私は仕事がありますので、後から行きます」

 だが結局、正臣さんが病院へ来ることはなかった。

 搬送先の病院で頭部CT等の検査を受けて重大な病気がないことを確認され、めまいも収まった妙子さんが、「大丈夫だった」とスマホで連絡を入れたのは昼少し前。正臣さんは会社で仕事をしており、妙子さんは1人でタクシーに乗って帰宅した。

● 原因はよくわからず、女性に多い 「良性発作性頭位めまい症」

 妙子さんを襲ったのは「良性発作性頭位めまい症」。患者は女性のほうが多いといわれている。

 「頭位」は頭の位置、「発作性」は特定の頭の位置に急に動かした時に発すること、「良性」とはつまり、手術を要するような重大な「めまい」ではないことを表す。数年前、有名女子サッカー選手が、この病気で入院したことにより知られるようになった。

 めまいには、脳から来るものと耳から来るものがあるが、全体の7割は耳から来る。

 耳からのめまいと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、メニエール病だろう。しかし、日本めまい平衡学会の「めまい相談医」によると、メニエール病によるめまいは全体のわずか1~10%程度、圧倒的に多いのは良性発作性頭位めまい症なのだという。

 そのほかの原因としては突発性難聴、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症のほか、事故や藥等による内耳障害がある。いずれも診察・診断は耳鼻科で行う。

 良性発作性頭位めまい症は耳鳴り、難聴などの予兆はなく、いきなりめまいが起きる。原因はよく分かっていないが、ストレスや運動不足が関係していると言われている。ただ、有名サッカー選手が運動不足であるはずはないので、やはり「原因はよく分かっていない」と考えるのが妥当なのではないだろうか。

 めまいの震源地は耳の内部にある「三半規管(さんはんきかん)」だ。三半規管の根元には耳石器と呼ばれる器官があり、大きさわずか0.3mmの「耳石(じせき)が無数に存在している。主成分は炭酸カルシウム。耳石は身体の傾きにともなって動き、その情報が脳に伝わることで、我々は、身体の位置や動くスピードなどを把握することができる。

 しかし、この耳石が、何らかの原因で耳石器から剥がれ、リンパ液で満たされた三半規管の中に入りこんでしまうと、耳石が動くたびにリンパ液の流れが乱され、「今回転している! 」といった誤った情報が脳に送られて、めまいとなる。

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最終更新:9月16日(金)6時0分

ダイヤモンド・オンライン

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