ここから本文です

ウォール街の金儲けで本当に必要な能力とは

会社四季報オンライン 9/16(金) 19:46配信

 米国の大統領選挙が直前に迫る中、シリアの内戦が激化している。シリアの内戦は、戦っている組織・グループ数が54、関与している国が20カ国以上あり、歴史上類のない複雑な構造の内戦となっている。

 トルコは内戦の影響を最も受ける国の一つだが、これまで軍事介入することはなかった。ところが8月24日、トルコはシリアに大規模な部隊を派遣し、直接軍事介入に踏み切った。同じタイミングで中国もシリアに軍事インストラクターやトレーナーを派遣し、アサド政権を軍事的・経済的に支援することを発表した。

 中国の狙いはシルクロードの復活だ。“一帯一路(ワン・ベルト、ワンロード)”構想の実現である。これは中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパにつながる「シルクロード経済ベルト」で、中国政府は莫大な資金を使ってインフラ投資をしている。中国主導で発足したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の最初の融資先も、北京とバグダッドを結ぶ鉄道になると言われていた(後にバングラデシュが融資を受けることになった)。

 中国はシルクロードの復活を21世紀の国家戦略としており、この戦略と自国の投資を守るためにも中東地域の安定は必要不可欠と考えているのだ。

 ロシア、中国、イランはアサド政権を、米国、英国、フランス、トルコは反アサド勢力を支援し、冷戦時代に似た構図ができあがっている。シリアの内戦は今後の世界政治の行方についても大きなヒントがあると思われる。

■ カネのためなら何でもあり! 

 今月紹介する本は、昨年大きな話題になったハリウッド映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の原作を書いた、米国人作家マイケル・ルイスの『ライアーズ・ポーカー ウォール街は巨大な幼稚園』である。(マネー・ショートの原作名は『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』)

 マイケル・ルイスは、米国の名門投資銀行であり当時世界最大の債券トレーダーだったソロモンブラザーズで働いた経験を持つ。彼はプリンストン大学を卒業し、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学の修士号を取得したエリートで、1985年にソロモンブラザーズに入社。勤めたのはわずか3年だったが、その間に債券市場の最盛期を経験し、市場の崩壊も目の当たりにした。この本はジャーナリスティックなものではなく、あくまでも彼の経験と思い出をつづったものである。

1/2ページ

最終更新:9/21(水) 20:16

会社四季報オンライン