ここから本文です

スポーツオーソリティ、「日本好調」の理由

東洋経済オンライン 9月16日(金)6時0分配信

 日本でも展開している、米スポーツ用品大手「スポーツオーソリティ」は今年3月、連邦破産法第11条の適用を申請し、経営破綻した。競合店「ディックス・スポーティング・グッズ」などの台頭や、アマゾンを中心とするインターネット通販の拡大により、業績不振に陥ったためだ。現在はかつてのライバルだったディックスに、商標や一部の店舗が引き継がれている。

【グラフ】日本では店舗が急増している

 米国では破綻したスポーツオーソリティだが、実は日本では好調だ。日本でスポーツオーソリティを運営しているのは株式会社メガスポーツ。流通大手イオンの子会社だ。

■日本では積極出店続く

 米国では、個人消費は拡大していても、小売業を中心にリアル店舗での購買は縮小傾向にある。たとえば百貨店のメイシーズは約100店舗の閉鎖を計画、アパレルも店舗閉鎖が相次いでいる。小売業を取り巻く環境の変化が今後、日本でも起こる可能性は否めない。

 だが、メガスポーツの神谷和秀社長は「米国母体の破綻の影響はまったくない」と述べ、日本での店舗展開を加速する。2014年2月の93店から直近131店(9月16日時点)へ、4割以上も増加。今2017年2月期は、すでに24店の純増となっている。

 売上高も順調だ。2016年3~8月の月次売上高累計は、新店を含む全店で前年同期比5%以上の増加。既存店売上高も前年超えを維持している。

 スポーツ用品大手3社(アルペン・ゼビオ・ヒマラヤ)の既存店月次売上高で、前年割れが目立つのとは対照的だ。

大手3社と違って好調なワケは?

 日本のスポーツ用品小売り業界は、アルペン(2016年6月期の売上高2236億円、営業利益31億円)とゼビオホールディングス(2016年3月期の売上高2213億円、営業利益61億円)の2強が断トツ。

 3番手のヒマラヤ(2015年8月期の売上高723億円、営業利益23億円)に、メガスポーツは肉薄する(2016年2月期の売上高684億円、営業利益16億円)。

 足元でヒマラヤは苦戦している。2017年8月期に、過去最多となる13の不採算店を閉鎖する。スキー用品や冬物重衣料といった主力の冬物商品が暖冬で落ち込んだことに加え、春夏物も不調で値引き販売を迫られたからだ。

■専門性を強めた店作りに強み

 しかし、メガスポーツは冬物商品への依存度が低く、春夏物で値引き販売を迫られることもなかった。キャンプ用品やランニング用品が売り上げの伸びを牽引する。これらはヒマラヤやアルペン、ゼビオでも好調だが、メガスポーツは売り上げに占めるウエートが高い。

 カギは、思い切った品揃えと、専門性を強めた店作りにある。

 メガスポーツの神谷社長は、2015年5月にトップ就任後、商品の見直しに着手。人気のアンダーアーマー商品(機能性の高い着圧ウエア)やアウトドア商品を充実させた。

 続いて強化したのが、新業態作りだ。神谷社長は「(商品が)何でもあるから売れる時代ではない。何かテーマを決めて店を出していく」と語る。

 象徴的なのが、新業態「コーナーズ スポーツオーソリティ」の出店加速だ。日常生活で着用する、ファッション性の高いスニーカーや衣料を中心に扱い、それらの販売が好調だ。

 今年2月に5店だったコーナーズは8月までに16店へ増やした。アシックスのスニーカー「ゲルライトⅢ」など、これまでスポーツ量販店ではあまり置かれてこなかった商品をそろえているのが強みだ。客単価はオーソリティのほぼ倍になっているという。

1/2ページ

最終更新:9月16日(金)18時25分

東洋経済オンライン

東洋経済オンラインの前後の記事

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

地球外生命を宿しているかもしれない1つの惑星と3つの衛星
地球外にも生命はいるのでしょうか?NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星科学部門の部門長であるジェームズ・グリーンと一緒に、地球外生命を宿していそうな場所を太陽系内の中で探してみましょう。 [new]