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日本語学ぶ中国人に大人気 電子辞書「E-Y300」

NIKKEI STYLE 9月17日(土)7時0分配信

 中国では、およそ10年前からさまざまな電子辞書がリリースされてきたが、日本語学習者にはカシオの電子辞書「E-Y300」が圧倒的人気だ。中国メーカーの日本語電子辞書も数多くあるものの売れてはいないようで、かつて筆者がレビューしたクラウド電子辞書「無敵雲8」も、入手したときは3分の1の価格で投げ売りされていた。

 E-Y300のハードウエアは、キーボードの刻印が中国語になっている以外、日本で販売されている「EX-word」シリーズと同じだ。本体サイズは148.0×105.5×15.7mmで、電池込みの重量は約265g。

 中国版独自の機能としては、日本語テキストの読み上げ機能と、自分で読み上げたテキストを録音・再生できる発音練習機能がある。後者は、中国でよく開催されるスピーチ大会の対策用で、読み上げにかかった時間を確認することもできる。

 他にも、中国語発音で漢字を検索できる「ピンイン検索」や、動詞や形容詞の活用形でも検索できる「活用形検索」といった、日本語を学ぶ中国人に優しい機能が充実しているのもE-Y300の特徴だろう。

■E-Y300はコンテンツが多すぎないか

 電子辞書ではハードウエア以上に、辞書の充実度が大事なのは言うまでもない。E-Y300は、一般的な中日辞書もちろん、「大辞林」「中日経済経営用語辞典」「中英日パソコン用語辞典」「日本文学作品200編」などなど、中国メーカーの電子辞書の追随を許さないコンテンツ量となっている。

 一見、ビジネス向けのコンテンツが充実しているようだが、初心者にも配慮されていて、国際交流基金が運営するウェブサイト「アニメ・マンガの日本語」の電子辞書版コンテンツなどもある。日本のアニメや漫画をきっかけに日本に興味を持ち、日本語の勉強を始める中国人はいまだに多く、彼らのニーズに応えているわけだ。

 とはいえ、日本の電子辞書はコンテンツが多すぎるのではないかとも思う。中国人は、デジタル製品は1、2年使ったら買い換えるという人が多く、その間にすべてのコンテンツを使いこなす人は少ないと思うのだ。またE-Y300の直販価格は2820元(約4万3300円)と、中国人学生にとってはかなり高めの設定なので、大学や語学学校などの現場ではスマートフォンの辞書アプリを使う学生が多いと聞く。もっとコンテンツを絞り込んで価格を下げれば、中国人学生にも広まっていくかもしれない。





山谷剛史(やまや・たけし)海外専門ITライターとしてライター業を始めるものの、中国ITを知れば知るほど広くそして深いネタが数限りなく埋蔵されていることに気づき、すっかり中国専門ITライターに。連載に「山谷剛史のアジアン・アイティー」、「山谷剛史のチャイナネット事件簿」、「華流ITマーケットウォッチ」など。著書に「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」(ソフトバンククリエイティブ)。

[日経トレンディネット 2016年8月29日付の記事を再構成]

最終更新:9月17日(土)7時0分

NIKKEI STYLE

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