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脳はいくつになっても「進化」する 第3回<脳はあきらめない!>

幻冬舎plus 9月17日(土)6時0分配信

瀧 靖之

 親からもらった遺伝子を変えることはできません。ですが、いくつになっても脳を成長させることができます。今からでも決して遅くない、認知症にならないための生活習慣を16万人の脳画像を見てきた脳科学者がお教えします。

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生活習慣で脳は変えられる

 生物学的に遺伝子は何をもってしても変えられません。生まれた時に親から得た遺伝子の代わりに、脳を「進化」させるのが生活習慣です。

 「自分の努力次第で脳を変えられる」というのは、正確に言うと「生活習慣で脳は変えられる、成長させることができる」ということになります。

 遺伝子は親からもらったいわば設計図。細胞分裂する時、いろいろ組み換えが起きるので、親とまったく同じ遺伝子を受け継いでいるわけではありませんが、原則として親からもらったものです。

 ただし、私たちの体は、遺伝子という設計図だけで決まるものではありません。遺伝子の情報を読んで、体のもとになるたんぱく質などを作り上げる過程では、生活習慣も重要になってきます。

 具体的には、生活習慣を変えることによって、いろいろな遺伝子を読み込むことに対してブロックがかかったり、逆にたくさん読み込むようになったりするなどの変化が起きます。

 例えば、運動不足、肥満になると、ある遺伝子がある臓器の細胞として非常に読み込まれやすくなったり、ある遺伝子は読み込まれにくくなったりといった変化です。

 つまり、遺伝子という設計図は変わらないのですが、生活習慣によって読み込まれる情報の中身が変わってくる。だから、脳の「進化」には生活習慣が重要になってくるわけです。

いくつになっても脳の機能は高められる

 約10年前までは、脳はいったん形成されるとその形態が変化することはない、後はどんどん衰えていくだけだと思われていました。でも、そうではありません。

 いくつになっても脳のネットワークによって、その機能を高めることができます。

 後でまた詳しくご説明しますが、記憶をコントロールする海馬にいたっては、神経細胞そのものが新しく生まれ変わることもわかってきています。脳の機能を変化、あるいは回復させる可塑性という働きがあるためです。

 例えば、少しでも脳を変化させるような生活習慣やトレーニングを試みると、高齢者でも若年者でも脳の形態や機能に変化が出ます。どの段階から始めても必ず変化は起きます。

 変化を促す生活習慣をいろいろ取り入れていくことで脳は活性化し、認知症などの予防にもつながっていくのです。

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最終更新:9月17日(土)6時0分

幻冬舎plus

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