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中国人爆買い減速、新税制が標的にした高額品は?

NIKKEI STYLE 9月17日(土)9時0分配信

 インバウンド消費をけん引してきた中国人の“爆買い”が今年4月から大きく減速している。急速に進行した円高に加えて、訪日リピーターの増加に伴う「モノ消費」から「コト消費」への転換などがその原因に挙げられるが、さらに中国人の消費意欲に直接影響を与えたのが中国政府が4月8日に導入した税制改正。

 中国人観光客が国外で買った物品を本国に持ち帰る際にかかる「行郵税」が大幅に改正され、高額品などを中心に実質的な増税になったとされる。「日本での爆買いが中国の国内消費の流出につながっている」――。こう警戒した中国当局が一定の規制をかけたのではないかと日本の政府関係者や流通関係者は受け止めている。

「国内消費の流出」と中国当局、爆買い減速を招いた行郵税改正の中身とは……

 では具体的に何が変わったのか?

 中国財政部が公表した税制改正(行郵税)の概要をまとめたのが表である。

 それまでの「10%、20%、30%、50%」の4段階から「15%、30%、60%」の3段階に移行したわけだが、なかでも目を引く変化が高級腕時計とゴルフ用品の税率。30%から一気に60%に引き上げられた計算になる。「円高が進行したことも考えると、日本で買っても割安感がなくなってしまったのではないか」(大手百貨店)と流通関係者は消費者心理の変化を指摘する。

 改正前後で比べてみると、減税された一部商品もあるようだが、食品、飲料、書籍などについては10%から15%、繊維製品、電気製品、自転車などについては20%から30%、たばこ、酒、化粧品などについては50%から60%--と多くの品目で税率が引き上げられた実態が浮かび上がる(ただ1人あたりの総額が5000元以内ならば免税)。

高級腕時計・ゴルフ用品は30%→60%、食品・電気製品・繊維製品など多くが増税に

 「比較的緩やかだった空港での税関検査が一気に厳しくなった」--。税制改正直後、中国国内ではこんな情報が駆け巡り、「納税か」「現物放棄か」の選択を迫られた中国人旅行者がやむにやまれず床に投げ捨てたとされる化粧品の画像がインターネットに流れるなど大きな混乱が広がった。

 「4月以降、目立って売り上げが落ちたのは高級時計。以前は中国のお客さんを中心に気前よく購入する姿がよく見られたが、ぱったり売れ行きが止まってしまった」(ビックカメラ)、「高級時計や宝飾品など高額品は売れ行きが落ちている。中国人客の購買単価は2~3割は減っている」(銀座三越、日本橋三越本店、伊勢丹新宿店)と小売業各社も爆買いの冷え込みを認める。

 「行郵税の改正」は中国人の爆買いに水を差す結果になってしまったようだ。

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最終更新:9月19日(月)10時3分

NIKKEI STYLE

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