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16歳のぼくが「ロケットフォトグラファー」になるまで

WIRED.jp 9/17(土) 20:30配信

ティーンエイジャーは誰しも夏休みの終わりを受け入れられないものだが、ジョン・クラウスにはそうなって当然の、納得のいく理由がある。それは、学校が始まればロケットが発射する時の写真を撮る時間が減ってしまうから、だ。「写真を撮るだけのために学校はなかなか休めないよ」と彼は話す。

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クラウスは16歳で、アメリカで最年少の宇宙飛行専門フォトジャーナリストのひとりだ。フロリダのサテライトビーチに住んでいて、そこからケープカナベラルとケネディ宇宙センターまではわずか30分で行くことができる。彼はNASAの宇宙キャンプに参加したり、自宅からスペースシャトルの発射を見たりして育った。「ロケットが飛び立つときのものすごいパワーは、一生に一度は見たほうがいいと思うね」

最初にデジタル一眼レフカメラを買ったのは2015年1月のこと。そしてその1カ月後にファルコン9の発射を写真に収めている。これまで全部で20回以上のロケット発射を撮影しているが、彼はすでに「AmericaSpace.com」で資格を与えられたカメラマンになっている。そこでは熟練のカメラマンにも出会ったが、彼にはみな無料であれこれ教えてくれるという。「ぼくは定期的に参加しているから全員の顔がわかるし、みんなぼくを手助けしてくれてヒントもくれるんだ」とクラウスは話す。

資格のおかげでかつては無理だった距離までロケットへ近づくことができるようになった。日中の近接撮影では、クラウスは発射場所へ少なく見積もっても10時間前に到着し、スーパーの袋に入れて保護している自前のカメラD3300を三脚に乗せる。三脚の足は地面に刺したテント用の杭に括りつけてある。ロケットが発射する瞬間の轟音が、シャッターを切る合図だ。

クラウスの撮った写真には素晴らしい出来栄えのものがある。6月、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスのデルタIV打ち上げ時には、発射台からわずか400フィートのところへカメラを設置した。写真はまさにロケットが発射台を離れる様子を捉えており、ものすごい炎の壁が写真のフレーム全体を覆っている。「カメラはまだちゃんとまっすぐ立っていたし、近くに置いたバッグも溶けなかったから大丈夫。だから出来栄えにはかなり満足してるよ」

夜間の発射も、数マイル離れたところから撮影する。漆黒の空を背景に、発射時の真っ白な光を捉えて。これは7月にファルコン9の打ち上げを撮ったときの手法だ。Google EarthとGoogle Mapを駆使して最適な場所を探し当て、フレームの真ん中に必ずロケットが来るように計算する。各段階の長い光の筋の写真を撮り、フォトショップで編集してつなぎ合わせ、美しい光のアーチへと仕上げる。

クラウスは写真にすっかり夢中になっていてほかのことをする時間がなかなかとれないが、NBAの試合を見るのが好きだし、「ブレイキング・バッド」が終わったことにはまだ打ちひしがれている。高校2年生になる準備をしながら、将来何になりたいかまだわからないままであるという。しかしきっと彼は、学校にいる間も、卒業してからも、ロケットの写真を撮り続けるに違いない。

LAURA MALONEE

最終更新:9/17(土) 20:30

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