ここから本文です

最年少・久保建英が見せた老獪さ。本人は不満足も卓越したセンスで攻撃陣けん引【U-16日本代表】

フットボールチャンネル 9月17日(土)10時20分配信

16日に行われたU-16選手権の初戦。日本はベトナムに7-0と大勝した。大量得点の口火を切ったのは久保建英。鮮やかなFKを決め、後半にもエリア内を切り裂いてゴール。本人は納得いくプレーではなかったようだが、チーム最年少からは老獪さも感じるパフォーマンスだった。(取材・文:元川悦子【ゴア】)

【動画】久保建英、鮮やかドリブルでゴール演出!相手DFを翻弄する超絶テクを披露

「狙い通り」。先制点となったFK弾を決めた久保

 「ベトナムさんは近年、ホントに力つけてきている。もともとスピード、アジテリィに長けていて、テクニカルな選手も多い。非常にケアしないといけないなと感じています」

 16日のAFC・U-16選手権(インド)開幕前に、森山佳郎監督がこう強調した通り、若き日本は大いなる警戒心を持って、初戦・ベトナム戦に挑んだ。

 実際、序盤のベトナムは8番のグエン・チャン・ベトコンを軸に積極的な仕掛けを見せ、ファーストシュートも放ってきた。彼らの勢いを日本選手たちも少なからず感じたことだろう。その流れにいち早く歯止めをかけたのが、前半16分の久保建英(FC東京U-18)の直接FK弾だった。

 「試合前に『相手の壁が飛ばないから、あんまりコースを狙いすぎずにしっかり強くボール蹴れば入るよ』っていうのをアドバイスもらっていた」と本人が明かしたように、小柄な15歳のレフティが冷静に壁の位置を見極めながら左足を振り抜いた瞬間、シュートは美しい弧を描いてゴール右隅に突き刺さった。

 「狙い通りのFKだったかなと思います。キレイに決まったんで、なんかスーッとしたというか、緊張が取れたかなという感じがしました」と大仕事を果たした久保は安堵感を吐露した。

 重圧のかかるアジア最終予選の初戦で、チーム最年少の選手がここまでの落ち着きと強心臓ぶりを前面に押し出せば、チーム全体が刺激を受けて当然だ。年長のアタッカー陣は負けじ魂を燃やしたに違いない。そして、この一撃が、その後の凄まじいゴールラッシュにつながった。

エリア内で咄嗟の判断。逆をついたシュート

 久保の先制弾に続き、中村敬斗(三菱養和)のスルーパスに反応したキャプテン・福岡慎平(京都U-18)が2点目、菅原由勢(名古屋ユース)のスローインから宮代大聖(川崎U-18)が反転から決めたミドル弾と、前半だけで3点をリード。

 後半突入後も、久保の右CKをGKがクリアしたところに福岡が詰めて頭で早々と4点目をゲットする。さらに久保、途中出場の監物拓歩(清水ユース)、山田寛人(C大阪U-18)が3点を追加。終わってみれば7-0の圧勝。

 森山監督も「こんなに大差がつくとは思わなかった」と驚き半分にコメントした。これだけの圧勝劇が現実になったのも、久保の先制点によるところが大だろう。背番号9がベトナム相手に残したインパクトはやはり絶大だったと言っていい。

 実際、自身2点目のシーンも、非常に角度のない難しい位置からのゴールだった。久保本人は「最初はクロスを上げてみようかと思ったけど、GKが前に出ているのが見えて、『じゃあ、逆を狙ってみようか』と考えた」と話したが、ペナルティエリア内で咄嗟にプレーの判断を変えるのは非常に難易度の高いこと。

それをいとも簡単にやってしまうのが、世界トップのバルセロナで感覚を磨いてきた少年の老獪さだ。現地ゴアで取材していた海外メディアも、彼の卓越したサッカーセンスを目の当たりにし、舌を巻いていた。

1/2ページ

最終更新:9月17日(土)10時33分

フットボールチャンネル

記事提供社からのご案内(外部サイト)

サッカー情報満載!
『フットボール批評』と『フットボールサミット』の編集部が制作するWEBサイト。
他では読めない圧倒的な論説で、世界中のサッカー情報をお届けします!