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「17歳は死と背中合わせ」。湊かなえ原作『少女』で三島監督が描く少女と死の関係

女子SPA! 9/17(土) 9:10配信

 湊かなえさん(『告白』『Nのために』)原作の長編ミステリー『少女』が、本田翼さん、山本美月さん主演で映画化されました。

⇒【写真】映画『少女』よりシーンカット集

 女子高校生の由紀(本田)と敦子(山本)が抱える闇、死への思いを映し出した三島有紀子監督(『ぶどうのなみだ』『繕い裁つ人』)に、キャストの印象や、監督自身の死生観などを伺いました。

◆17歳は死と背中合わせの時期

――イヤミス(読後イヤな気分になるミステリー)の女王と呼ばれる、湊さんの小説が原作です。

三島:原作の“ヨル(夜)の綱渡り”(由紀が書く小説のタイトル)というキーワードが燦然と輝いて見えました。一寸先も見えない中、一筋の光を見つけられたり見つけられなかったりを繰り返す。そこから主人公たちが何を見つけていくのかを映画で描けたら、多くの人に共感していただけるのではと感じました。

――柱にした部分を教えてください。

三島:17歳はキラキラした年代ではなく、自分勝手で傷つきやすく、いろんな闇を抱えていて、死と背中合わせの時期だという世界を描いてみたかったのです。簡単に、「死んじゃえばいいのに」と口にしたり、自分自身も死にたいと思っていたり。

ただ友達が欲しかったり、親友がいるほうがいいとも思っていたりするんですよね。本当の友達、裏切らない友達が欲しいし、自分も友達になにかしてあげたい、と。もうひとつ柱にしたかったのが、由紀と敦子のいびつな青春映画を見せること。『少女』は、私の中で友情物語なので。

◆本田翼、山本美月、稲垣吾郎の印象

――本田さんと山本さんの印象を教えてください。

三島:本田さんには明るくかわいい子というイメージがあるそうですが、私にはいろんな感情がうごめいているのが見えたんです。何かに苛立っていたり。無理して笑わなくていい、本当に笑いたくなったら、大口を開けて笑えと話しました。そのほかは不機嫌なままでいい、と。それが由紀だから。彼女がもともと持っている要素の扉を開けさせてもらった感じです。感覚的な人だと思いましたね。理屈を考えてやるより、こちらが何かをぶつけたときの化学反応のほうがおもしろい。

 山本さんは言葉で理解する人なので、細かく説明してあげて、いろいろお話しをしながらやっていったほうが、その世界に入っていけると感じました。素直なので、催眠術に近いというか、耳元でいろいろ言ってあげたときのほうが表情が生き生きしてくる。あと責任感がとても強くて、何テイクも何テイクもやりたいということもありました。貪欲な人ですね。

――稲垣さんの印象も教えてください。

三島:稲垣さんが演じた役は一番まっとうな大人で、唯一この世界で、人に対してあることができる人物なんです。終盤、そのシーンの表情を大事に撮れるかどうかが、私の中で勝負でした。それから敦子とのシーンに出てくる「ひとつの作品(由紀が書いた小説のこと)を生むということが、どれほど血反吐を吐きながらやるのかわかってあげたほうがいい」というセリフを、説得力を持って伝えられたのは、稲垣さんが舞台(『No.9 -不滅の旋律-』)でベートーヴェンをやられた後だったことが大きいのかなと感じました。あと、ナイター照明の生える顔でしたね(笑)。

◆映画が死を留まらせた

――制服が素晴らしかったです。相当こだわられたのだろうなと感じました。

三島:あー、嬉しいですね。こだわりました、こだわりました(笑)。これだけ多くの学園モノが作られているなかで、それらとは一線を画すものにしたかった。閉塞的な空間で生きている、籠の中の鳥たちのような感じ。しかも伝統的な学校であると伝わる。今までに見たことがないけれど、でも日本のどこかの私立にはありそうだというものを目指しました。なんでそこまで制服にこだわるんだ、もうこれ以上は作れまへんでっていうくらいこだわりました(笑)。

――“死”が大きなテーマになっています。監督自身の死への思い、また映像へ向かわれた理由を教えてください。

三島:私は小さなころから死を意識して生きてきた人間だと思います。4歳のときに初めて観た映画が『赤い靴』で、自殺で終わりを迎えるのですが、自殺という選択が人生の中にあるのだと衝撃を受けました。そこからいろいろあって、死んでもいいかなと思った時期もあった。じゃあなぜ今日、私は死んでいないのか。私は朝起きたときに生きることを選択しているのだといったことを考えながら生きてきました。死は自分の中に、常に川のように流れていると思います。

 死を踏みとどまらせてくれた大きな存在が映画でした。映画を観たから、あぁ、やっぱり生きようかなと思えた。そして、いつか自分も私のような人が映画を観たときに、明日も生きてみようと思ってくれるような映画を作りたいなと思ったんです。

<TEXT&PHOTO/望月ふみ>

『少女』は10日8日(土)より丸の内TOEIほかにて全国公開

配給:東映

(C)2016「少女」製作委員会

女子SPA!

最終更新:9/17(土) 9:10

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