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お金がなかったから勝てた!広島カープ暗黒から逆転の理由

日経ウーマンオンライン(日経ウーマン) 9月17日(土)15時2分配信

広島カープが25年ぶりにリーグ優勝しました。優勝の瞬間は、選手だけでなくファンもとびきりうれしそうな姿が印象的なニュースでした。今回は、人気スポーツ観戦ブログ「フモフモコラム」のフモフモ編集長が、広島カープ優勝の理由を考察します。

【関連画像】25年に一度、灰の中から甦る球団・広島(C)PIXTA

●「死ななければ、いつか勝つ!」

 広島東洋カープ、25年ぶりのリーグ優勝。ここにいたる要因はいくつもあるのでしょうが、一言でまとめるなら「ガマン」に尽きます。

 25年ぶりの優勝という近年の低迷はもちろん、1950年の創設以降7回しかリーグ優勝がないという決して強豪とは言えない球団が、今にいたるまで身売りも移転もせずに存在しつづけてきた。存在しつづけたからこそ、優勝の順番が再びめぐってきた。

 「死ななければ、いつか勝つ!」というしぶとさが生んだ優勝であろうと思います。

 そのガマンを支えたのが、愛。

 そもそも広島カープは、第二次世界大戦で壊滅的な打撃を受けた広島の復興の象徴として、広島市民の手によって生まれた市民球団でした。

 それは親会社の広告効果狙いとかではない、広島に存在しつづけなければならない意義がある存在でした。オーナーのものではなく、市民のもの。成り立ちからして「愛」をもって生まれた球団です。愛がなければ、こんなにガマンはできないでしょう。

 しかしそのぶん、環境的には恵まれなかったことは否めません。

お金がなさすぎて、ボヤ騒ぎを起こしたことも……

 拠点とする地域は、東京や大阪といった大都市に比べれば商業規模において小さく、入場者・広告・協賛企業を集めることは難しい。

 スポンサーとして自動車メーカーの東洋工業(※現在のマツダ/球団名に名残をのこす)が支援に加わるも、莫大な出資額で環境を変えるまでには至りません。あくまでも身の丈に合った運営をつづけてきました。

 身の丈と言えば聞こえがいいですが、要するに自由になるお金が乏しかったということ。

 それは選手獲得競争において顕著で、1993年に始まったフリーエージェント制度(※一定期間活躍した選手が、好きな球団に移籍できる権利を持てる仕組み)での広島入団者は20年以上を経ていまだにゼロです。フリーエージェント制度は「長く活躍し、実績を積んだ選手が、自由に移籍できる」という戦力補強の大チャンスですが、そのぶんマネーゲームになりやすい仕組み。広島にはそこに割って入る余力はなかったのです。

 本拠地の状況も惨たんたるもので、2008年まで使用した旧・広島市民球場は、1950年代に建てた老朽化した建物であり、美観はもちろん機能面でも大きく見劣りするものでした。

 各地にエアコン完備のドーム球場が立ち並ぶ2007年において、旧・広島市民球場では「公式戦中、暖をとるためにベンチに炭火を入れたドラム缶を置いておいたら、その熱で冷水器のパイプが破損し、炭火に流れ込んだ水が白煙となってベンチから噴出」というボヤ騒ぎを起こしています。

 炭火、ドラム缶、白煙、というパワーワード。ネット裏で観戦していたマツダの社長は「50年ここで試合を見ているが、こんなのは初めて」と語ったそうですが、そりゃあそうでしょう。ヨソはもうエアコンを入れていた時代なんですから。

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最終更新:9月17日(土)15時2分

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