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長崎のある女子校の奇跡 無名の吹奏楽部を全国に導く

NIKKEI STYLE 9月18日(日)12時0分配信

 カリスマ指導者とメンバーとの間に強烈な信頼関係が生まれると、その組織はとんでもない力を発揮する。例えば井村雅代コーチのもと、リオ五輪で3大会ぶりにメダルを獲得した女子シンクロナイズドスイミングのチームのように。長崎のある女子高校の吹奏楽部でも、そんな奇跡が起きた。部員数も足りない素人集団が、わずか7カ月で全国大会出場という快挙をなし遂げたのだ。カリスマ指導者はいかにして短期間でチームを強くしたのか。そこには企業経営にも通じる組織論や人事論の哲学があった。

 長崎でも指折りの観光名所、オランダ坂。石畳の坂道を登り切った先にたたずむ荘厳な建物が、活水(かっすい)女子大学だ。その付属の活水高校吹奏楽部に1年半前、一人の指導者がやってきた。藤重佳久氏(62)だ。2015年3月まで、福岡市の精華女子高校吹奏楽部を35年間、指導してきた。

 精華の吹奏楽部は全国大会の常連で、何度も日本一になっている。あまりの上手さに目を付けたソニー・ミュージックエンタテインメントがCD「熱血!ブラバン少女」を出したところ、クラシック部門でヒットチャート1位となり、2014年のゴールドディスク大賞を獲得したほどだ。

 そんな藤重氏が精華女子高校を定年退職し、新たな挑戦の舞台に選んだのが、長崎の活水高校だった。活水女子大は137年前の創立時から音楽学部があるほど音楽教育に力を入れている。加納孝代学長は「人間教育の面でもぜひ藤重先生に指導してほしかった」と招いた理由を語る。

 当時の活水の吹奏学部は部員が20人程度。コンクール参加に必要な55人に大幅に足りず、コントラバスなど奏者がいない楽器も少なくなかった。過去4年間はコンクール出場すらできなかったのに、藤重氏の顧問就任からわずか7カ月で長崎大会、九州大会を勝ち抜き、全国大会出場を決めた。高校野球で地区予選すら出場できなかったチームが、いきなり甲子園に出たようなもので、関係者に与えた衝撃は計り知れないほど大きかった。

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最終更新:9月18日(日)12時0分

NIKKEI STYLE

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