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【柏】先制点を挙げるも終盤に一瞬の隙を突かれ……。中谷進之介が神戸戦で感じた「今までとの違い」

SOCCER DIGEST Web 9月18日(日)13時0分配信

「あそこで耐え切る力がないのが、今のチームの実力なのかな」

[J1第2ステージ12節]神戸1-1柏/9月17日/神戸ユ
 
 神戸対柏のマン・オブ・ザ・マッチは、柏が1-0でリードしていた後半途中まで、中谷進之介にしようと決めていた。この20歳のCBは23分にクリスティアーノからのCKを頭で合わせ、先制点を奪うと、その後も後半途中までは、レアンドロ、P・ジュニオールの強力2トップに自由を与えず、ほぼ完璧なディフェンスを見せていた。間違いなくこの試合で一番出来が良いと言える選手だった。
 
 しかし、試合終盤88分、その評価は一瞬で変わった。

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 ドリブルを仕掛けた石津大介を止めようと、右SBの茨田陽生が前に出る。中谷はそこで瞬間的にカバーを選択し、先行して後方にポジションを移動した。だが、その選択が隙を生む。一番注意していたはずのレアンドロをバイタルエリアでフリーにしてしまったのだ。ボールを受けたレアンドロは、スムーズなターンから右足を振り抜きシュート。ゴール右隅に突き刺した。
 
 それはまさに〝一瞬″だった。
 
「ちょっとバラ(茨田)君が出て、その後ろのカバーに先に行ってしまった。もうちょっと我慢してからいけば良かった。あそこで耐え切る力がないというのが、今のチームの実力なのかなと思います」
 
 中谷は失点シーンを振り返り、反省を口にする。そして、チームにも言及した。耐え切る力がない、と。

 前節は鹿島に完封勝利を収めた柏だったが、この日は何かが違っていた。

ブラジル人ふたりは不調だった。

 主導権を握っていた前半には、中谷と中山からクリスティアーノやD・オリヴェイラを狙ったロングボールが出ていたが、神戸が素早いプレスをかけてきた後半は、その回数が激減。展開力を失ったチームは、そのプレスを掻い潜れず、徐々にリズムを崩し、流れを譲り渡した。

 いつもであれば、押し込まれる時間帯でも、クリスティアーノやD・オリヴェイラの個人技で強引に相手を押し返せていた。しかし、この日ふたりは不調だった。クリスティアーノは細かいミスが散見され、D・オリヴェイラはラインの高い神戸守備陣の対応にはまり、徐々に孤立していった。
 
 そして、守勢に回ったチームは、必然的に中盤が下がり気味になり、前線との距離が間延び。攻撃陣とのギャップが広がった。カウンターを仕掛ける場面は何度かあったが、そのほとんどは伊東が独力で持ち運んだ形で、CBからロングパスで裏に抜け出す形は、後半はあまり見られなかった。
 
「自分たちでもっと攻撃につながるパスを出せれば良かったですけど、前との距離がちょっと遠くて、なかなかうまくいきませんでした。良い時のうちだとあそこで守り切れて、カウンターで点を取れていた。そこは今までとの違い」
 
 中谷がそう語るように、クリスティアーノとD・オリヴェイラのカウンターをケアされた神戸戦は、相手を押し返せなくなった時の次善策の必要性を感じさせた。柏はこの壁を乗り越えられるか。今後の戦いに注目したい。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

最終更新:9月18日(日)13時0分

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