ここから本文です

悲惨な体験をした人は、なぜ長生きするのか? 心を強くする「喪失トレーニング」

現代ビジネス 9月18日(日)13時1分配信

 若いころに災害などで悲惨な体験をした人のほうが、長生きできる傾向にある――そんなデータがあるという。

 心を強くする「喪失トレーニング」について、『「疲れない身体」をいっきに手に入れる本』でヒト本来の「自己調整力」を引き出すボディワークを提唱する藤本靖さんと、『友だちの数で寿命はきまる』の著者で、予防医学研究者の石川善樹さんが語ります。

感情にされるがままにしない

 石川 現代社会で生きている限り、ストレスは避けられません。どんな仕事でも、どんな職場でもストレスは感じるでしょう。そこですぐに変えられるのは、環境ではなくて感じ方、注意の向け方です。

 少し前まで精神医学の世界では、「行動を変えればいい」「考え方を変えればいい」といってきましたが、人間は、そう簡単に変われるものではありません。そこで登場したのが、「注意」をどこに向けるかをトレーニングする、マインドフルネスです。

 藤本 マインドフルネスは、理性的に心を見つめていく方法ですよね。

 石川 怪我をした時、痛みに集中しすぎると余計に痛く感じます。ムカついたり、イラッとした時もその感情にされるがままの人が多いんです。頭の中でその場面を何度もリピートして、ますますムカつきます。「アイツ、ムカつくな」と思ったら、まず自分がムカついていることに気付きましょう。

 藤本 気付くことで、どう変わりますか? 
 石川 自分は、何に対して怒りを感じているのか。なぜ怒りを感じるのか。ネガティブな感情の正体を探るんです。すると、これまで表面に出てこなかった自分の本音が見えてきます。

 たとえば、「悲しい」と感じるのは、ずっとあると思っていたものを失った時です。そもそも自分は、それがずっとあると思っていたのか、と気付きます。

 藤本 普段は意識していない自分自身の内側にあるものに気付くんですね。心のモヤモヤの正体を探る、そういうときに、理性的にそのモヤモヤを分析するだけではなく、モヤモヤそれ自体を身体的な感覚と捉えて、そこに注意を向けていくことが平静を取り戻すために重要と私は考えています。

 心を落ち着かせるには「ストロー呼吸」という簡単な呼吸法が有効です。これは、下腹に手を当てて「口をすぼめて息を吐き、鼻から息を吸う」だけ。ストローから息を吐くようなイメージで息を吐くので、「ストロー呼吸」と呼んでいます。

 慣れるまでは実際に、ストローを口にあてて息を吐いてみるのがいいと思います。「ハァー」とため息をつくように大きく息を吐くのではなく、あくまで口をすぼめて行います。それさえできていれば、呼吸のリズムをゆっくりにしたり、深くする必要はありません。

 石川 どのような状況で行うとよいでしょうか? 
 藤本 職場の人間関係で不愉快な想いをしたときなど、外からの情報に対してストレスを感じる際にはぜひ行ってみてください。

 身体の内側から自分自身をしっかり支える感覚が生まれて、ストレスに対して必要以上に身構えて緊張したり、呼吸が浅くなったりすることがないので、ネガティブな感情に振り回されなくなります。

1/3ページ

最終更新:9月18日(日)13時1分

現代ビジネス

記事提供社からのご案内(外部サイト)

「現代ビジネスプレミアム」

講談社『現代ビジネス』

月額1000円(税抜)

現代ビジネスプレミアムは「現代ビジネス」の有料会員サービスです。2万本以上の有料記事が読み放題!会員だけの特別記事も配信。豪華ゲストによるセミナーも開催中。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

暗闇で光るサメと驚くほど美しい海洋生物たち
波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。 [new]