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ライザップ、「宣伝費削減」はヤセ我慢なのか

東洋経済オンライン 9月18日(日)5時0分配信

 「ビフォー・アフター」で劇的に変わる肉体と「結果にコミットする」とのテレビCMで、一気に認知度を上げたパーソナルトレーニングジムのRIZAP(ライザップ)。運営会社であるRIZAPグループ(健康コーポレーションから7月に社名変更)の業績もまさにうなぎ登りだ。

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 「ライザップは広告宣伝をガンガンやって新規客を獲得し、2カ月後にその顧客が去ったらまた広告を投下するというビジネスモデルだった。それが今は継続客によって支えられている。広告宣伝費を使わずとも1000人の待ちが出ている状態だ」

 瀬戸健社長(38)が9月6日の2016年4~6月期決算説明会でアピールしたのは、ライザップ事業の「変化」だった。

■集客コスト実質ゼロの「上客」が増えた

 瀬戸社長の語る「継続客」とは何か。ライザップの標準的なコースでは週2回、1回50分のトレーニングと食事指導を受けられるのは2カ月間だ。

 それが今年4月から本格開始した「ライフサポートコース」を利用すれば、標準コースを終了した後も継続して、月に2回、1万9800円でトレーニングに通える。

 標準コースの料金は2カ月で29万8000円。入会金5万円を合せると計34万8000円(税別)なので、それに比べると安く思える。だが、ライフサポートコースは1年以上にわたっての利用が契約の条件。そのため実際は最低約24万円が必要となる。一方、継続利用者は新規客と違って契約獲得にかかる広告コストが実質ゼロ。まさに"上客"なのだ。

会員1人が落とす金額は?

 既存顧客の紹介による新規会員も増えている。これらの結果として2016年4~6月期は広告宣伝費が24億円と前年同期から約3億円減少した半面、ライザップ関連の売上高は58億円と16億円増えた。紹介の増加分だけでも月間で1億円の収益改善効果が出ているという。

 2012年2月に1号店を出店したライザップの利用者は累計で5万6000人を超えた。会員1人が落としてくれる金額は、自社製プロテインの販売や継続利用の増加によって平均70万~80万円にまで上がった。

■意識の高い人がライザップに通う

 瀬戸社長によると、ライザップに通うのは「適度に太っている人」、もしくは「太っていない人」だという。つまり、もうすでに自分を適度にコントロールできている人、かつ自分を高めることにおカネを惜しまない「意識の高い人」(瀬戸社長)だ。

 意識の高い人は、自分が理想とする体型や健康状態と現在の状態にギャップを感じていると指摘する。そのため現状に満足せず自分磨きに終わりがない。その意識が高い人たちの自己実現を阻む「三日坊主」を、厳しい食事指導で知られるようにライザップが克服させるというわけだ。

 RIZAPグループはトレーニングジムに続いて、昨年9月にゴルフ教室「RIZAP GOLF」を、今年7月には英語の語学教室「RIZAP ENGLISH」を開設した。ともに標準的なコースの料金はジムと同じ34万8000円(入会金5万円込み、税別)。コミットするのはゴルフだと「スコア100切り」、英語は「TOEICで200点アップ」である。

 今年度中にそれぞれ10~15店舗出店する計画で、まさに2匹目のドジョウを狙う戦略だ。

 順風満帆に見えるライザップ事業。だが、札幌証券取引所アンビシャス市場に上場するRIZAPグループの株価はパッとしない。決算で好業績が判明した直後は株価が上昇するものの、その後の持続力は弱い。株価のピークは2015年5月につけた1085円で、現在の株価は800円台を推移している(株式分割を遡及)。瀬戸社長の雄弁さと裏腹に市場はどこか懐疑的なのだ。

 機関投資家を対象に日本株の投資情報を提供するジャパンエクイティリサーチの山田育弘代表は、RIZAPグループを定点観測している数少ない証券アナリストの一人である。その山田氏が下している同社株の評価はずばり「ネガティブ」だ。

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最終更新:9月18日(日)5時0分

東洋経済オンライン

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